2012年7月11日(水)〜7月15日(日)
北海道!!!!

目的地 北海道
ルート
1日目 :  (羽田空港) → (新千歳空港) → 道道130号 → 国道337号 → 国道274号 → 道道610号 →
国道237号 → 道道136号 → 「トマム」(168km)
2日目 :  道道136号 → 道東自動車道(トマム〜十勝清水) → 国道38号 → 国道242号 → 国道241号(阿寒湖) →
国道243号 → 「屈斜路湖」(323km)
3日目 :  国道243号(美幌峠) → 国道39号(メルヘンの丘、網走監獄博物館) → 国道238号(オホーツクバザール、
サロマ湖) → 道道961号 → 道道103号 → 国道333号 → 国道242号(ノルディックファーム) →
国道39号 → 「温根湯温泉」(207km)
4日目 :  国道39号 → 道道37号 → 道道 68号 → 「美瑛」 → 国道237号(フラノーブルマツオ) →
国道38号 → 道道985号(チーズ工房) → 「富良野泊」(198km)
5日目 :  国道38号 → 国道237号 → 道道610号 → 国道274号 → 国道337号 → 道道130号 →
(新千歳空港) → (羽田空港)(192km)
走行距離 1,088km

さてと。何事もなかったかのように突然のツーレポだ。「何事もなかったかのように」と言ったからと言って、最近何かスゲーことでもあったのかというと、特に何かスゲーことがあったわけではない。(何を言っているのか、自分でもちょっとわかりません)
最近の俺に関して言えば、週末に近所をバイクで走り回る程度で、ツーリングからはちょっと遠ざかっていた。そして今回の北海道ツーリングの動画用BGMの作曲に精進し、ここ一月半で7曲も作っちゃったことを考えると、まあなんつーか、我ながらスゲーと言えばスゲーと言わざるを得ない。

それはさて置き、久しぶりのツーリングだ。しかも北海道!
北海道ツーリングは今回で4回目。2008年、2009年、2010年と3年連続で夏の北海道をツーリングしたわけだが、去年の夏休みは福島、山形、新潟を走り回ったので、二年ぶりの北海道ツーリングだ。渡道の手段は、今回もANAのスカイツーリング。
毎日ANAのWEBページをチェックして、予約受付開始とほぼ同時に予約をとった。おかげで、行きも帰りも希望の便を確保することができた。ああ良かった!そして、予約から出発までの期間はお楽しみの、ルート検討や美味しいお店チェックに明け暮れた。我々夫婦は「0円マップ北海道」や「ツーリングマップル」を見て、行きたい場所や食べたいものを協議した。
そんなこんなで、待ちに待った「我々夫婦の北海道ツーリング2012」出発の朝を迎えたのであった。


■■ 初日 羽田空港〜新千歳空港〜 ■■
4時に目が覚めた。今日は7時頃家を出発する予定なので、まだ起きるには早すぎる。もう少し寝ようと思って目を閉じたが、全然眠れそうにないのでそのまま起きた。

トイレと洗面を済ませ、荷物の最終チェック。4泊5日分の着替、レインスーツ、ツーリングマップル、デジカメ、ビデオカメラ、三脚、携帯、予備のSDカード、電子機器のバッテリーや充電器、サンダル、そして防寒の為の衣類。7月とはいえ、北海道は天候が悪いと関東では考えられない程寒くなるので、トレーナーや厚手のインナーは必須だ。それに加えてかみさんは冬用のジャケット、俺は革ジャンを持ち物リストに加えてある。
ちなみに、なぜサンダルを持っていくかというと、宿の食堂に行くとき部屋着の短パンにエンジニアブーツでは格好悪いからだ。

荷物の最終チェックを終え、パソコンで北海道の天気をチェックしていたらかみさんが起きてきて、自分の持ち物の最終的な整理を開始した。インターネットの週間予報によれば、本日の北海道は晴天らしいが、明日以降は概ね曇り。ツーリング中に1日か2日は雨に降られそうだ。うーん、どうかあまり降りませんように・・

出発準備が整った。かみさんと俺の持ち物を押し込んだ防水バッグをゼファー750とビラーゴに括りつけ、グローブとヘルメットを装着して、無線インカムのスィッチON!
2012年7月11日朝7時。我々夫婦は羽田空港に向かって出発したのだった。

時刻は通勤時間帯真っ只中。我々夫婦は混雑している都心を、無線インカムでおしゃべりしながら黙々と走った。(どっちだよ)

8時30分。我が家から約30km走って羽田空港に到着。
スカイツーリングでの渡道は今回で4回目。自慢じゃないが、我々夫婦はもはや空港内の道や、バイク搭載の手続きに精通している。指定のスタンドでガソリンを抜いて空港の西貨物エリアに行き、書類の記入、車体の傷のチェック、バッテリー端子の取り外し等所定の手続きを終えて、ゼファー750とビラーゴをANAの航空貨物に預けた。空港に到着してから、これらの作業に要した時間は約1時間だ。

我々夫婦はバイク搭載の手続きを無事完了し、空港内循環バスで旅客第2ターミナルに移動した。
時刻は10時前。我々夫婦とゼファー750とビラーゴが搭乗するANA61便は11:00出発予定だ。我々夫婦は早めに保安ゲートを通過し、売店で購入したお弁当を食べながら出発時間を待った。
去年までは10:00発の59便もスカイツーリングで選べたのだが、今年から61便が一番早い便になったようだ。残念・・・

ともあれ、ANA61便は定刻通りに出発し、我々夫婦と我々のバイクは北の大地目指して飛び立ったのである。

ほぼ定刻に新千歳空港に到着。我々夫婦はタクシーで貨物エリアに移動した。これまた所定の手続きを踏んでゼファー750とビラーゴを引き取り、ANA指定のスタンドで給油した。
13時45分。空港到着から1時間を要して出発準備が整った。さあ「我々夫婦の北海道ツーリング2012」のスタートだ。

道道130号を北上して国道337号に入り、国道274号を右折して夕張方面に進んだ。

かみさんが無線インカムで「気持ちいいー、頭の後ろから何かが抜けて行く感じがするー!」と言った。おそらくストレスが消えていく感じを表現したかったのだと思うけど、かみさんが言うと、なにか別のものが抜け出しているようで、「だいじょうぶか?かみさん」っていう気分になるのだった。

新千歳空港から1時間強走り、道の駅「夕張メロード」で休憩。
夕張メロードは2011年の6月にオープンしたばかりの道の駅で、もともとJA夕張市直営のスーパーマーケット「メロード」を道の駅として利用できるようにしたものらしい。
道の駅の建物に入ると、なるほど、店内の造りはそのままスーパーマーケットって感じだ。

せっかくだからカットした夕張メロンを購入。
食べ終わった瞬間に「もう1個買おうかな」と思うほどのおいしさだった。

そして当然ソフトクリームもゲット。
今回の北海道ツーリングの初ソフトクリームだ!これから始まる「北の大地、ソフトクリーム三昧の旅」(そんなタイトルだったのか?)の第一歩だ!
どれどれ・・・うーん、普通だ・・・

道の駅「夕張メロード」からほんの少し移動して、今回のツーリング初のセイコーマート!

なにを隠そう(隠してないけど)、我々夫婦はセイコーマートが大好きなのです!テヘペロ(テヘペロとかいいから)
本日の宿は素泊まりなので、ここで夕食と明日の朝食と、おやつをゲットした。
で、100円惣菜シリーズを中心とした夕食や朝食用のパンを数種類(セイコーマートブランドのパンはなぜかすごくおいしいのだ)、そして大量のお菓子が入ったレジ袋を荷物のネットにくくり付けて出発。さ、今日はもう宿に向かおう。

さらに国道274号を進んだ。石勝樹海ロードのモトツトンネルに入る瞬間、前方から冷風が吹き付けて来た。なんじゃこりゃー!トンネルの中の気温は一桁台なのではないか?そのくらい寒い。今日は天気が良くて暖かかったので、我々夫婦は薄着で走っている。まじで凍えそうだ。「さみーーーー!」とか叫びながらモトツトンネルを通過し、ほっとしたのもつかの間、前方にはさらに福山トンネルが迫っている。やっぱ福山トンネルも寒っ!まるで冷蔵庫の中を走っているようだ。どうにか福山トンネルを通過すると、今度は樹海ロード最長のトンネル、穂高トンネルだ。我々夫婦は、本当にぶるぶる震えながら、歯をガチガチならして全長1,991メートルの穂高トンネルをどうにか通過したのだった。

穂高トンネルを通過して、道道160号を左折。この道は国道274号から日高市街をパスして、国道237号を富良野方面に向かうのに便利だ。
道道160号から道道136号に入り、占冠のあたりで国道237号に入って北上。石勝線の線路を越えて国道237号を離れ、道道136号をトマム方面に進んだ。

いやー、北海道だ!
夕張メロン、セイコーマート、そして牧草ロール。走り始めて数時間にして、すでに北海道満喫って感じ。楽しすぎるぜ!

午後5時10分。
本日の宿、星野リゾートトマム(旧アルファリゾートトマム)のリゾナーレ(旧ガレリアタワー)に到着した。
出迎えの従業員の方に駐車場所を確認してバイクを停め、荷物を降ろしてチェックインした。

リゾナーレは全室ジャグジーとサウナ完備のスィートルームのホテルだ。高額の宿泊費を要するのではないかと思いきや、かみさんの会社の福利厚生を利用すると、一人6,000円で泊まれるのだ。
ちなみに北海道ツーリングで毎回利用しているトマムのザ・タワーは、やはりかみさんの会社の契約をりようして1泊3,000円だ。なーんてリーズナブルなんざんしょ!
部屋に入ってみると、その広さと豪華さにかみさんのテンションは一気に急上昇したのだった。

ジャグジーとサウナをゆっくり楽しんで、北海道恒例のセイコマディナー。
100円惣菜シリーズのザンギや漬物をつまみに、サッポロクラシックをグビグビと飲んだ。ああ、楽しい。

本日の走行距離168km。テレビの予報によれば、明日は北海道全域で雨になるようだ。ショック・・・

■■ 2日目 ■■
朝5時起床。
予報通りしっかりと雨が降っている・・・・
俺は駐車場におりてビラーゴのサドルバッグから二人分のレインスーツ、雨用のグローブ、ブーツカバーを取り出して部屋に運んだ。
デジカメやエネループの充電器を回収したり、荷物の整理をしたり、ツーリングマップルで今日のルートを確認しているうちに6時になり、かみさんも起床。

朝食用に購入しておいたセイコマのパンを食べ、身支度を開始した。

しっかり着込んだ上に、レインスーツを着け、ブーツカバーを装着した。荷物を手分けして持ってチェックアウト。

朝7時40分。我々夫婦は雨のトマムを出発したのだった。

本日の目的地は屈斜路湖。トマムインターから道東自動車道に乗った。俺もかみさんも雨の高速道路は初めてだ。とりあえずかみさんを先に行かせて俺が後ろを走った。かみさんが後続車にあおられたらかわいそうだからだ。

予定では足寄まで高速で行き、あとは下道で阿寒湖方面に進むつもりでいた。しかしだ。予想以上に雨は強いし、風も強い。片側一車線で後続車にあおられぎみで激しく怖いので、次の十勝清水インターで降りた。ああ怖かった。

国道38号で帯広市街を超え、国道242号に入った。雨自体は鬱陶しくていやだが、雨の北海道の景色は美しい。我々夫婦は道の傍らの、雨に煙る大草原を眺めながら進んだ。

道の駅「ステラほんべつ」で小休止をとり、足寄のあたりで国道241号を右折。土砂降りの雨の中を阿寒湖方面に進んだ。オンネトーに向かう道道949号を右にやり過ごして進む。オンネトーは今度晴天のときに寄ろう。って以前ここを通ったときもやっぱり雨で、同じことを思ったような・・・
足寄峠を越え、国道241号は国道240号と合流し我々夫婦は阿寒湖畔到着したのだった。

雨の阿寒湖をしばし見物して出発。
アイヌコタンを見物するつもりでいたのだが、駐車場が停めにくかったのでやめにした。

さてと、次は多和平まで行って昼食の予定だ。時刻は11時を回っていて我々夫婦はだいぶ空腹になってきているが、ここから多和平まで1時間も走れば到着するはずだ。本降りの雨で若干辛いけど、がんばって行ってみよう!

と思ったのが甘かった。
普段の俺はツーリングマップルをまめにチェックしながら走るのだが、雨でつい億劫になり阿寒湖の手前でチェックしたまま走り続けたのが敗因だった。阿寒湖畔から数キロ先の分岐で本来国道241号に入らなければならないところを、間違えて国道240号に入ってしまったのだ。早く昼食を食べたい一心で間違っていることに気づかずにグングン進み、おかしいなと思ってツーリングマップルをチェックしたときには、既に分岐から33km走ってしまっていた。

この雨の中間違って33kmも走ってしまったことに気がついたときのショックたるや、あなた、そりゃあもう相当なもんですよ、いやホント。(誰に言ってるんだよ)
しかもここから正しいルートまで戻らなければいけないわけだから、往復66kmのロスだ。
俺はかみさんに事情を説明してペコペコ誤った。我々夫婦は激しい脱力感を味わい、道端で小休止をとった。そして気を取り直してUターン。冷たい雨の中を空腹を抱え、間違えた分岐に向かって引き返したのだった。

その後も若干迷ったりしながら、結局80km強余分に走って正しいルートに戻り、道の駅「摩周温泉」で休憩。俺もかみさんもヘトヘトだ。っていうか、寒すぎるよ、雨の北海道。だから多和平のレストハウスは簡単にあきらめて、ここでチャーシューのおにぎり(結構おいしかった)を食べて遅い昼食とした。オンネトーと多和平と開陽台は、今度晴天のときにとっておこう。(こんなんばっかだな)

寒くても、疲れていてもこれは欠かせない。
今回のツーリングで2つ目のソフトクリームだ。どれどれ・・・うーん普通だ・・・

休憩とおにぎりとソフトクリームで少し元気を取り戻した。しかし、予定していた多和平や開陽台に向かうほどの元気はない。我々夫婦は道の駅「摩周温泉」を出発し、近くのスタンドで給油して、セイコーマートで夕食を購入した。国道241号から国道243号を進んで、屈斜路湖畔の宿に向かった。

午後4時10分。
永遠と思われた雨中の走行はようやく終わり、本日の宿「屈斜路プリンスホテル」に到着。
軒下にゼファー750とビラーゴを停めさせてもらい、荷物を下ろして雑巾でよく拭いた。レインスーツは雑巾で雨水をよく拭ってから脱いだ。雨の日に屋根のある場所にバイクを停めさせてもらえると、荷物の積み下ろしやレインスーツの脱着がしやすくて、すごーくありがたい。

で、チェックイン。今日は一日よく降られて、寒くて辛い走行を余儀なくされたわけだがとりあえず一安心。ものすごーくほっとする瞬間だ。

屈斜路プリンスホテルは、スカイツーリングのパックに含まれる宿泊施設の一つだ。
客室の窓から見えるのは、全面に広がる屈斜路湖のすばらしい景色だ。
屈斜路湖の周囲長は57kmで、面積は79.3km。日本最大のカルデラ湖で、湖沼としては日本で6番目の面積を有している。部屋の窓からは南岸の和琴半島や、湖の中央に浮かぶ中島とを見ることができる。

我々夫婦は快適な屋内から雨の屈斜路湖をながめ、雨中走行の疲れを暫し癒したのである。

やるべきことはやってしまおう。
我々夫婦は、疲れた体に鞭打って荷物の整理を行った。レインスーツ、ブーツカバー、レイングローブを濯ぎ、浴室の物干しロープに干した。
さ、あとは、ゆっくり寛ぐだけだ。

そしてお風呂。
ここの大浴場のお湯は温泉だ。源泉名は屈斜路温泉。泉質はナトリウム・カルシウム−硫酸塩・塩化物線(中性低張性高温線)で、神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・疲労回復・冷え性等に効果があるらしい。
俺は内風呂にゆーーーっくり浸かり、冷えた体をゆっくり温めたのだった。

夕食は昨日同様、セイコーマートで買った100円惣菜シリーズとサッポロクラシックだ。

それと、道の駅「摩周温泉」で購入した「摩周の豚丼」

「摩周の豚丼」はインターネットで美味しいという情報を得ていたのだが、食べてみたら本当に美味しかった。冷めていても炭火焼の香ばしさがあって、肉が柔らかい。
夕食を終えて寛ぎ、もう一度温泉に入りに行った。そして就寝。

本日の走行距離は323km。
明日は美幌峠を通って網走、サロマ湖を観光する予定だ。雨、やみますように・・・

■■ 3日目 ■■
4時30分起床。
朝風呂独り占めを目指して、速攻で大浴場向かった訳だが、予想に反して既に沢山の人が入浴していた。ちょっと残念。

風呂から上がり、宿の周りを散歩した。曇り空だが、雨は止んでいる。と思ったら霧雨のような細かーい雨が舞っていた。でもまあ、路面は乾いてきているし、こんな程度ならレインスーツはいらないだろう。

朝の屈斜路湖。
天気が良くなくて寒いが、空気が澄んでいて超すがすがしい。俺は桟橋の突端まで進み、目を凝らしてクッシーを探した。しかし、どうしても見つからなかったので(あたりまえだよ)あきらめて部屋に戻った。
6時ごろかみさん起床。目を瞑って半分寝ながら身支度を開始した。

朝食は宿のバイキング。旅行の朝は、バイキングでまず牛乳を一気飲みするのが俺のジャスティスだ!(どうでもいいって)
俺もかみさんも洋食を中心に食べ物をゲットし、若干食べすぎ気味に朝食を楽しんだ。バイキングってほんと楽しい。

部屋に帰ってゆっくり出発準備をした。今日の予定は観光重視。走行距離が短いので、時間に余裕があるのだ。

朝7時50分。「我々夫婦の北海道ツーリング2012 − 北の大地のソフトクリーム三昧の旅」(タイトルなげーよ)3日目のスタートだ。

今日最初の目的地は、今回のツーリングでメインの一つ、美幌峠。
宿から美幌峠までは、国道241号で10kmくらいだ。美幌峠は屈斜路湖の絶景を眺めながら走ることができる峠で、北海道をツーリングするライダーに人気のスポットなのだ。

道の駅「美幌峠」到着!

って、なんにも見えねえーーーーーっ!なんだこの濃霧ーーーーっ!!
美幌峠は、オンネトー、多和平、開陽台と合わせて、いつか晴天の日にリベンジすることにしよう・・・

今日もすごーく寒いので、わずか15分程度の走行で体が冷えてしまった。自販機の暖かい缶コーヒーを飲んで道の駅「美幌峠」を出発。美幌町の市街地を通過して国道243号から国道39号に入り、網走方面に進んだ。

本日第2の目的地、女満別の「メルヘンの丘」に到着。
メルヘンの丘は国道39号に面した小高い丘で、小麦、豆、ジャガイモなどの畑が丘の斜面にきれいに並び、丘の頂上には7本のカラマツの木が立っている。国道39号沿いのパーキングスペースから眺めると、なんともメルヘンチックな光景だ。黒澤明監督が映画「夢」のロケを行ったことでも有名になり、人気の撮影スポットになっているのだ。

幸い今日は他にバイクや車がいないので、パーキングスペースのベストスポットにゼファー750とビラーゴを停めることができた。バイクの位置を微妙に調整しながら、時間をかけて写真を撮った。

時刻は10時。本日の昼食は、メルヘンの丘から10km程のオホーツクバザールで海鮮丼を食べる予定だ。まだ時間があるので、「博物館 網走監獄」を見物することにした。

博物館 網走監獄は、実際に網走刑務所で使用されてきた建物を保存公開していたり、野外作業の宿泊小屋や味噌醤油蔵などの再現建築を公開している野外博物館だ。
我々夫婦は実際に使われていた牢屋や、資料館を見て回った。
五翼放射状舎房と呼ばれる舎房では、見張り番の詰め所を中心に5方向に舎房が伸びていて、見張りからすべての舎房の廊下を見渡すことができる構造になていた。なるほどねー、って感じだ。

「博物館 網走監獄」の料金は大人一人1,050円。広大な敷地に多数の展示物があり、じっくり見ようと思ったら簡単に2,3時間掛かってしまいそうな規模だ。
我々夫婦は1時間程見物して、博物館を出た。

国道39号を網走駅方面に進み、国道238号を右折するとすぐ右側に昼食予定地「オホーツクバザール」が見えてきた。
対向車が途切れるのを待って道を右折し、駐車場にゼファー750とビラーゴを入れた。

オホーツクバザールはオホーツク海で捕れたサケ、ホタテ、カニなどの海産物や乳製品や銘菓が揃う物産店で、2Fには海産物の料理を味わえる食堂がある。1階の海産物売り場を少し見て回ってから、2回の食堂に行った。

かみさんはイクラとホタテとカニのほぐし身が乗った「北海三色丼」、俺はウニ、イクラ、カニのほぐし身が乗った「特選オホーツク丼」を食べた。今回、初めて北海道らしい食事をした感じだ。ウニ甘っ!

いやーうまかった!俺もかみさんも、満足して店を出たのだった。

オホーツクバザールを左に出て、国道238号を紋別方面に進む。網走湖、能取湖を越え、道道442号の分岐を右に入ってオホーツク海沿い進んだ。

サロマ湖の「ワッカネイチャーセンター」に到着。

サロマ湖の面積は約152km?で、琵琶湖、霞ヶ浦に次いで日本で3番目の大きさだ。北海道内では最も大きな湖であり、汽水湖としては日本最大らしい。湖に沈む夕日が美しいことが有名で、それを見るために夕日の時間帯に合わせてサロマ湖近辺を走るライダーもいるらしい。

磯の香りを嗅ぎながらサロマ湖沿いの道を走り、道の駅「サロマ湖」で小休止。トイレを済ませて出発した。

道の駅を出て国道238号を少し走り、道道961号を左折。10kmほど走って道道103号を右折して、国道333号に入った。
突き当たりを左折して、石北本線沿いの国道242号を南下。7月とは思えない気温の中、寒さを我慢して暫く進むと道の左側に、次の目的地があった。

その目的地とは、50ヘクタールの乳牛牧場と、乳製品工場に隣接した「ノルディックファーム生田原本店」だ!
我々夫婦はバイクを停めていそいそと店に入って行き、牛乳プリンをゲットした。チーズケーキは売り切れだった。残念・・・

そしてこれ!これを忘れてはいけません!
今回のツーリングで3つ目のソフトクリームだ!
うまっ!超寒いけど、超うまっ!!!牛乳の味が濃厚で、さりとてしつこくはなく、甘すぎずさっぱりとしていて超うまい。我々夫婦は体の芯から冷え切っている。しかし頑張った。ガクガク震えながら美味しいソフトを食べたのだった。(そこまでして食べなくても・・・)

本日の行程は順調に進んですべての目的地を回ることができたので、我々夫婦は宿に向かうことにした。時間もほぼ予定通りだ。昨日のずぶ濡れ、ヘトヘト、ボロボロ、ヘロヘロな感じと比べれば、よく遊べて超満足な感じだ。

本日の宿は温根湯温泉。寒いけどすぐに温泉に浸かれるので、がんばって走ろう。

国道242号をさらに南下して、国道39号を右折。そろそろガソリン入れなきゃやばいなあ、とか思いながら走っていたら温根湯温泉街に到達し、道の右側にガソリンスタンド発見。ゼファー750とビラーゴのガソリンタンクを満タンにし、スタンドの人に道を確認して宿に向かった。

午後4時ジャスト。
本日の宿、「温根湯ホテル四季平安の館」に到着した。
とりあえず車寄せにバイクを停め、かみさんをそこで待たせて、俺はバイクを置く場所を確認するためにフロントに行った。

俺はフロントの女性に「すみません、宿泊なんですけど、バイクどこに置けばいいですか?」ときいた。するとそばにいた男性従業員が、
「何台ですか?」と言った。
「2台です」
「ご案内しますので駐車場の奥のガレージに入れて下さい」
俺は、「それじゃ荷物降ろすんで、ちょっと待って下さい。降ろし終わったら声掛けます」と言って車寄せに停めたバイクの傍らに戻り、かみさんと手分けして荷物を降ろした。先ほどの男性従業員が台車を押して来て、我々夫婦の荷物を台車に積みながら「オートバイで旅行なんていいですねー」と言った。

我々夫婦がバイクのエンジンを掛けてヘルメットを着けると、男性従業員は「ついて来て下さい」と言って前を歩き始めた。我々夫婦は男性従業員の後にバイクで付いて行き、駐車場奥のシャッター付のガレージにゼファー750とビラーゴを止めさせてもらった。
フロントに戻ると、男性従業員は「荷物、お部屋に運んでおきますので」と言って台車を押して去って行った。我々夫婦はチェックインを済ませ、食事や大浴場の案内を聞いて部屋に向かったのだった。

「温根湯ホテル四季平安の館」(なげーな)は、これまた、かみさんの会社の福利厚生の契約を利用して、1泊2食付きで一人7,500円。これまた、かなりリーズナブルな感じだ。
我々夫婦はとりあえず大浴場に向かい、温泉に浸かってゆっくり温まった。いやー、今日も寒かった。寒さだけでいったら、昨日よりも寒かったかもしれない。

夕食は、お造り、鍋、茶碗蒸し、てんぷら、ステーキと言ったメニュー。この宿は今回のツーリングで唯一の和風温泉旅館だ。我々夫婦は飲み且つ食い、時間を掛けて宿の食時を楽しんだのだった。
部屋に戻ると、布団が敷かれていた。俺はビール飲んで、腹いっぱい食べて眠くなっていたので速攻でダウン。かみさんは「なんか寒くなって来た」とか言いながら、もう一度温泉に入りに言った。

本日の走行距離は207km。明日は層雲峡、旭川を越えて、美瑛や富良野で遊ぶ予定だ。

■■ 4日目 ■■
昨日は9時前に寝ちゃったので、朝4時にすっきりと目が覚めた。かみさんを起こさないように注意して起きだし、速攻で大浴場に向かった。既に先客が何人かいたが、ここの大浴場は広いのでほとんど貸切みたいな感じだ。俺は熱めの浴槽にザブンと浸かって体をほぐした。

風呂から上がって散歩に出ると、宿のすぐ前でキタキツネ発見!
かわいいーーー・・・か?

それはさておき、早朝に一風呂浴びた後の散歩はほんと気持ちいい。この習慣はどうにもやめられない。

宿の朝食はバイキング。今回のツーリングで唯一の和風温泉旅館なので、俺は和風のメニューとご飯をチョイス。かみさんは相変わらず、洋食系のメニューとパンをゲットしていた。

朝食を終え、部屋で一息入れてチェックアウト。
ガレージからゼファー750とビラーゴを押し出し、暖気運転をしながら荷物をバイクに括りつけた。

朝8時20分。温根湯温泉を出発。
今日も空には雲が広がっている。昨日同様走り続けると寒いだろうけど、がんばって行きましょう!

国道39号で石北峠を通過。眼下にはもの凄いスケールの手付かずの樹海が広がっている。こんなところに道を造っちゃうんだから、人間てすげーなと思う。
国道273号と合流し、全長3,388mの銀河トンネルを越えると、ヘルメットのシールドが霧でぬれるようになってきた。進むにつれ霧の粒は徐々に大きさを増し、層雲峡を通過するころには普通の雨になった。
我々夫婦はゼファー750とビラーゴを停車し、レインスーツとブーツカバーを着けて再出発。天気予報では、今日は一日曇りのはずなのに・・・

雨は降ったり止んだりを繰り返し、山を降りて旭川市街に近づくと完全にやんだ。
道の駅「とうま」で小休止。ここで俺はレインスーツの上着とブーツカバーを脱ぎ、かみさんはブーツカバーだけとった。
トイレを済ませ、かみさんはカットしたでんすけスイカを購入。かみさんは、スイカとトウモロコシが大好きなのだ。一つ食べて「おいしー!スイカの味がするー!」と言っていた訳だが、スイカを食べてアボガドの味がしたら気持ち悪い。ま、言いたいことは分かるけどね。
ちなみに、でんすけスイカはこの辺り(当麻町)が産地で、初出荷時のせりではご祝儀価格で65万円の値が付いたりする、スイカのキングなのだ。以上、本日の豆知識でした。

出発の準備をしていると、我々夫婦のとなりにバイクが1台やってきて停車した。俺はライダーに
「こんにちは、今日はどちらから来られたんですか?」と聞いてみた。
ライダーは「美瑛のほうから」と答えた。
「雨降ってました?」と聞くと、
ライダーは「ほんのすこーし降られました」と言って、「でも天気予報では、一日曇りのはずだから」と付け加えた。
「自分たちは北見の方から来たんですけど、層雲峡のあたりは結構降ってましたよ」
「あ、やっぱり。山の方はそうでしょうね」
「これからどちらまでいかれるんですか?」
「稚内まで」
「そうですか。それじゃあ、お気をつけて」
「お気をつけて」
そんな会話を取り交わし、ライダーはペコリと頭を下げてトイレの方に歩いて行った。俺もかみさんもペコリとお辞儀した。
この時間に旭川にいて、これから稚内なんてハードだな。相当飛ばすんだろーな。と俺は思った。我々夫婦の走行ペースではとても無理だ。

道の駅「とうま」を出て国道39号を少し走り、道道37号を左折。旭川動物園付近を通過して道道68号に入り、国道237号の交差点を通過。国道452号に入ってすぐに左折し、今回も美瑛の丘を走った。この辺りでは、霧と霧雨の中間位の水滴が舞っていて、走っていると微妙にヘルメットのシールドやウェアが濡れる。

天気は良くないけど、美瑛の景色は最高だ。いや、何回来ても最高だ。ただ一つ難を言えば、美瑛の丘の道は入り組んでいて分かりにくく、我々夫婦はここを走ると必ず迷子になるということだ。って俺たちだけ?
ともあれ迷走してたらなんとなーく国道237号(富良野国道)に出れたので、我々夫婦は美瑛の丘を後にして富良野方面に向かった。

富良野国道を南下して美瑛から富良野に入った。
そして到着。本日の昼食予定地、フラノーブルマツオだ。

やっぱり北海道に来たら、一度はジンギスカンを食べなきゃいかん!と言うことで、昼食は松尾ジンギスカン。
ここのジンギスカンを食べるのは7年か8年ぶりで、味がどうだったかほとんど忘れてたけど、食べてみたらやっぱりうまかった。

今回のツーリング、4つ目のソフトクリームはフラノーブルマツオのソフトクリーム。
ここのソフトは富良野に来るたびに食べてる感じなので、美味しいのは分かってるんだけど、やっぱうまいわ。

我々夫婦的ランキングで言うと、フラノーブルマツオ、ナイタイ高原レストハウス、山形県の松が岬公園、そして昨日初めて食べたノルディックファームのソフトクリームがベスト4で甲乙つけがたい。できれば4つ並べて食べ比べてみたいものだが、これはかなり実現困難な望みだ。

いい天気になってきて、気温が上がってきた。今までがちょっと寒すぎたから、なんだか嬉しい。
3連休の初日だからか、富良野の道は大混雑していた。次の目的地に予定していた「フラノ・マルシェ」は駐車場に入れなかったのであきらめ、その次の目的地「富良野チーズ工房」に向かった。

「富良野チーズ工房」の駐車場も大混雑していたが、幸いここにはバイク専用の駐車スペースがあったので余裕で停めることができた。ああ、良かった。

かみさんここで、ワインチーズと牛乳を購入。別に欲しかったわけじゃないようだけど、「何も買わないのも悔しいから」とか言いながらレジの行列に並んでいた。

そんでもってアイスミルク(ジェラート)!長蛇の列に並んで、チーズ味ととうきび味のダブルをゲット。チーズ味は美味しかった。とうきび味はうーんって感じ。かみさんは両方、「おししい、おししい」と食べていた。

今日は十分遊んだし、道も混んでるのでもう宿に向かいましょう。

太陽が出てから、だいぶ暖かくなってきた。俺は革ジャンを脱ぎ、荷物のネットに括りつけた。そして出発。大混雑の駐車場から道道に出て、300メートル程走って道端にバイクを停めた。いそいそと革ジャンを着て出発。暑いと思って革ジャンを脱いだのだが、走り出したら一瞬で「寒みーーーっ!」ってなってしまったのだ。早っ!無線インカムからはかみさんがげらげら笑いながら「北海道を甘く見たね」という声が聞こえていた。(どうでもいいって)

午後3時40分。
本日の宿「ナトゥールヴァルト富良野」に到着。
フロントでバイクを置く場所を確認し、玄関脇の軒下に停めさせてもらった。
荷物を降ろし、防水バッグの汚れを雑巾で拭いてチェックイン。

俺は早速大浴場で汗を流し、冷えた体を温めた。(今日は暑かったり寒かったり、急がしかったのだ)
ここのお風呂は「光明石」を使った光明石温泉というものらしい。内湯は普通の浴槽と泡風呂があり、露天風呂はあるにはあるが、狭くてぬるかった。

夕食は宿のバイキング。富良野の野菜を中心としたヘルシーな料理を食べた。毎度思うが富良野の野菜、特にトマトはすごーくうまい。

本日の走行距離は198km。
明日はいよいよ最終日。(寂しーぜ)
早めに新千歳空港に行き、去年リニューアルした空港ターミナルで、ゆっくり食事やショッピングを楽しむ予定だ。

■■ 5日目 ■■
4時30分起床。
最終日もやっぱり、朝風呂に入って宿の周りを散歩した。
ここの大浴場は朝5時からなので5時ぴったりに行ったら、既に3人入浴していた。

最終日は朝から快晴。めちゃくちゃすがすがしい空気を味わいながら散歩した。
ツーリングの行程も残りわずかだがせっかくの晴天なので、今日は味わって走ろう、と思ったのだった。

散歩から部屋に戻ると、かみさんがすぐに起きてきた。宿の朝食はバイキングで6時30分からだ。我々夫婦は若干時間差をかけて、6時45分頃朝食会場のレストランに向かった。バイキングだと、大概開始直後は大混雑するからだ。
朝食会場のレストランに到着すると、目論見どおり第一陣の料理争奪戦はひと段落していた。我々夫婦はゆっくりと料理を見て回り、余裕で食べたいものをゲットしたのだった。何回もいうが、この辺のプチトマトは超うまい。おおげさでなく、ちょっと東京では食べられない味だ。

食事を終え、部屋に戻って最終日の出発準備を整えた。今日は天気が良くて気温が上がりそうだが、出発直後は寒いことが予想されるので、かみさんは暴風インナーの上に冬用ジャケット、俺はトレーナーの上に革ジャンを着込んだ。そしてチェックアウト。

宿の玄関を出ると、昨日我々夫婦の後に到着したと思われるハーレー軍団が、ちょうど出発して行くところだった。ライダー達は皆さん60過年配の方たちだ。ホテルの前の車道にハーレーを一列に停め、アイドリングの重低音を響かせて暖機運転をしていた。ああ、すばらしきかな三拍子!やがて出発準備が整い、3拍子の息遣いを王者の咆哮に変えて、ハーレー軍団は出発していった。若干近所迷惑だが、迫力あって格好いいなあ。

そんな様子を見ながら、我々夫婦は荷物をゼファー750とビラーゴに括りつけた。かくして出発準備が整い、我々夫婦は最終日のツーリングを地味に(ハーレー軍団と比べて的な意味で)開始したのだった。

好天の北海道は素晴らしい。(この写真はちょっと曇って見えるけど)
特に美瑛や富良野近辺は、北海道の他の場所と比べても、一際緑が美しく感じる。
我々夫婦は無線インカムで「やっぱツーリングはこういう天気で走りたいよねー!」「ねー!」とか言いながら走った。

北海道ツーリングに関して、かみさんの関心事の70%は北海道の美味しいものだ。今回のツーリングではソフトクリームは沢山食べたし、海鮮丼も食べたし、でんすけスイカも食べたし、セイコマのパンや、富良野の野菜も堪能した。しかしだ。今回のかみさんには心残りが一つだけあった。それは、とうもろこしだ。

それをようやくゲット。国道38号沿いの農産物直売店で、ゆでたピュアホワイトを購入。かみさんは、一粒食べて「おいしーーーーい!」と叫んだ。幸せそうでなによりだ。
ついでにここで、プチトマトのパックを購入したのは言うまでもない。(言うまでもあるよ)

国道38号から国道237号の分岐を右に入って南下。
北海道ツーリングではなぜか毎回立ち寄っている道の駅「自然体験しむかっぷ」に、今年も何の意味もなく立ち寄った。

とりあえず記念撮影。
ゼファー750のハンドルにマウントしたカメラで、数枚タイマー撮影を行ったわけだが、周りの人たち(バイクの背後に観光バスが停まっていた)には「あいつら何やってんだ?」と思われたかもしれないが気にしない。

トイレ休憩をとって出発。

道道136号、道道610号を使って日高市街をショートカット。国道274号を走る。
往路はモトツトンネル、福山トンネル、樹海ロード最長の穂高トンネルと言った3連続トンネル内が死ぬほど寒かったので、覚悟して通過したのだが、今日はそれほど寒さを感じない。4日前にここを走ったときより着込んでいるとはいえ、理由はそればかりではあるまい。4日前の、あの地獄のような冷気はいったいなんだったのか・・・謎だ。

今年も我々夫婦は、この道で大量のライダー達とすれ違った。なぜかこの道ですれ違うライダー達はみなテンションが高く、元気一杯に手を振ったりピースしてくれたりするのだった。

さて、「我々夫婦の北海道ツーリング2012 − 北の大地のソフトクリーム三昧の旅 − awia! awio!」も残りわずかだ。(awia awioって何よ)
我々夫婦は、道の駅「マオイの丘公園」で最後の休憩をとった。バイク置き場の隣にいた、札幌在住のハーレー乗りと会話。生活に余裕がありそうな、ナイスミドルだ。休みの日は時々、バイクでここまで新鮮な野菜を買いにくるらしい。
「このビラーゴ400?」ときかれて、
かみさんは「250です。ちっちゃいのしか乗れないから・・・」と答え、
「乗れるだけすごいよねー」と言われていた。
トイレを済ませ、暖かいミルクティーを飲んで出発。

道の駅「マオイの丘公園」を出てすぐに国道337号を左折。「新千歳空港関連」っていう変な名前のバイパスを走って、道道130号に入った。
我々夫婦の北海道ツーリングも、本当に本当に、残りほんのわずかだ。
毎年この道に入ると「ああ、終わっちゃったなー」と、寂しい気持ちになるのだった。

スカイツーリング指定のガソリンスタンドに到着。
新千歳空港到着時には、なるべくガソリンの残量が少なくなるように調整したつもりだが、結構な量が残ってしまった。北海道は極端に信号が少ないから、燃費が異常に伸びるのだ。
ゼファー750もビラーゴも、飛行機搭載の為にガソリンを抜き取ってもらった。抜き取り証明書をもらって、航空貨物地区に移動。
ゲートの警備員のおじさんが、「寒かったでしょーっ。まるで秋だもんなー。」と申し訳なさそうに、しかし大声で言い、「これに懲りずに来年もまた来てくださいよー」と何回も言っていた。

我々夫婦はテキパキテキパキと働いた。
バイク搭載の事務手続きと、傷のチェック。最近は荷物の中身のチェックはしなくなったようだ。
「危険物等は入ってませんか?」と聞かれて、
「はい」と答えたらOKだった。

そしてバッテリー端子の取り外し。最近ではかみさんも要領を得ていて、テキパキと自分で外してくれるので楽だ。
かくしてバイク搭載の為の手続きが全て終了し、ANAの航空貨物の受付でタクシーを呼んで貰った。

我々夫婦はゼファー750とビラーゴに暫しの別れを告げ、タクシーで新千歳空港旅客ターミナルに向かった。
出発までの時間は、去年リニューアルした空港ターミナルビルで、ゆっくり食事をしたり、買い物をして楽しんだ。
本日の昼食はラーメン道場の「開高」。スープが炭火焼きの香ばしい香りがして、俺にとってはすごく美味かった。かみさんは「今一だなー」と言っていた。
昼食の後はゆっくり時間をかけて買い物、大量のおみやげを航空便で自宅に送り、自分達用のすぐに食べたいものは手荷物にして持ち帰った。
ああくたびれた。買い物ってなんでこんなに疲れるんだろう。人ごみのせいか・・・

我々夫婦は早めに保安ゲートをくぐり、出発ゲート付近でまったりと寛いだのだった。

15時30分。我々夫婦とゼファー750とビラーゴを乗せたANA68便は、定刻通りに北の大地を飛び立った。
我々夫婦は、新千歳空港上空を旋廻する飛行機の窓から北海道の大地を見下ろし、来年もまた来るぞー、と誓ったのだった。(もしかしたら、もっと早くまた来るかも・・・)
本日の走行距離は192km。
4日前に自宅を出発してから1,088km走って、4泊5日の北海道ツーリングを終了したのだった。


北海道の道には、
アイヌコタンとマリモの、静かな湖があった。晴れていれば絶景の筈の、濃霧の峠があった。白樺並木の向こうに美しい緑が広がる、水多き大いなる場所があった。頂上に7本のカラマツが並ぶ、絵画のような丘があった。

道のすぐ側らに佇む蝦夷鹿、宿の前をチョコチョコと散歩するキタキツネ、オホーツクと接する北海道最大の湖、丘一面のラベンダー。
厳しかった筈の雨の長時間走行も、今となってはその辛さを思い出すことさえ困難だ。思い出は美しいベールにつつまれて、いまや静かに光を放ちつづけている。

ああ、北海道!
我々夫婦は、何故これほどまでに北海道に魅せられるのか。毎回北海道ツーリングの後には放心状態に陥る訳だが、今回のかみさんは重症のようで、帰宅してから毎日「0円マップ北海道」を眺ながらため息をついている。
「二人とも前世はアイヌなのかもね」なんて冗談で言い合っているが、本当にそうなのかもしれない。



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