2009年11月21日(土)、22日(日)
ビーフライン、そして道の駅「かつら」

目的地 道の駅「かつら」
ルート
1日目 :  環七 → 国道4号 → 国道50号 → 県道1号 → ビーフライン → 国道123号 → 「道の駅かつら」 →
「御前山温泉四季彩館」→ 「エーコープ」 → 「道の駅かつら」(162km)
2日目 :  国道123号 → ビーフライン → 県道1号 → 国道50号 → 国道4号 → 環七 (142km)
走行距離 304km

11月も後半に入り、寒さが本格的になってきた。
関東地方では、この一週間でコートを着て通勤する人が一気に増えた。俺もその一人だ。
この時期「もうツーリングなんて寒いでしょ」とは良く言われるし、ましてやキャンプなんてマゾなのか?と思われそうだが、キャンプツーリングに関して言えば冬には冬の良さというものがあるのだ。寒い思いをした後に浸かる露天風呂は言うに及ばず、夜シュラフにもぐり込んだときの幸せな感覚、早朝の透明感を帯びた空気。どれも暖かい時期のキャンプでは味わえないものだ。
そしてなにより、虫がいない!蜂とかアブとかゲジゲジとか正体不明の毛虫とか、ああいやだ!(ってまたかよ。病気か?)
それらのものがあんまりいなくなるのだ。(全然ではない。ちょっとはいる)
これは俺にとって、超ハッピーだ。

で、この週末は、茨城県常陸大宮市の道の駅「かつら」で兄夫婦とキャンプ。かみさんは土曜日が仕事なのでお留守番だ。
今回は、元GN乗りで今はブロンコに乗っているshimasanさんと連絡を取り、キャンプ場までの往路を一緒にツーリングすることとなった。shimasanさんはキャンプはしないものの興味はあるので、設営を見てみたいらしいのだ。
俺は4時30に起きて真冬の装備を身に付けた。もも引きの上にオーバーパンツを穿き、Tシャツ、長袖Tシャツ、ウィンドストップインナー、フリースの上に4,600円で買ったライディングジャケットを重ね着した。愛用のズタ袋に冬用の羽毛シュラフと、夏用のシュラフを押し込んだ。冬用のシュラフでも寒い場合に、夏用のシュラフと重ねて使うためだ。
かくして支度が整った。俺は自宅を6時前に出発し、shimasanさんとの待ち合わせ場所、道の駅「庄和」へ向かったのだった。


待ち合わせの時間は7時で、道の駅「庄和」に到着したのは6時30分を回ったくらい。まだ早かったかなと思ったら、既にシルバーのブロンコが到着していた。
ブロンコの隣りにCB400SSを停め、ヘルメットとグローブをはずしていると、少し離れ場所からshimasanさんが歩いて来た。

shimasanさんとは今日が初対面だ。お互いに「はじめまして」と挨拶した。缶コーヒーを飲みながら一服し、バイクの話や世間話をして出発したのだった。

道の駅を出て、国道4号を北上。快晴だ。出発時は寒かったが日が高くなるにつれ、暖かくなってきた。

国道4号は多少詰まる場所もあったが、基本的に空いていたので、いいペースで進んだ。

国道4号の小山のあたりで国道50号を右折し、コンビニでパンと缶コーヒーの朝食をとった。国道50号は筑西市の辺りは交通量が多かったが、国道294号を超えると大分走りやすくなった。やがて進行方向の正面に仏頂山が見えるようになり、信号待ちでshimasanさんが「やっとツーリングらしくなってきましたね」と言った。

笠間市に入り、県道1号を左折。道端にバイクを停めて小休止だ。

縁石に座って世間話をしていると、背後でボボボボボッと、いい音が聞えてきた。俺とshimasanさんは同時に振り向いた。ロイヤルエンフィールドかと思ったら、メグロだ!
ピカピカにみがかれた、状態の良さそうなメグロをご年配のライダーが走らせていた。メグロは我々の前で信号待ちの為に止まった。俺はウェストバッグを引っ掻き回してデジカメを取り出し、急いで写真を撮ったのだった。

県道1号を少し走って一つ目の信号を右折すると、ビーフラインだ。shimasanさんに前を走ってもらい、後ろから動画を撮った。

shimasanさんは毎週のように秩父に走りに行くくらい峠好きだというだけあって、運転がうまい。右に左に滑らかに体重移動しながら、きれいにコーナーをぬけて行く。しかも早い。俺はshimasanさんのラインをまねしながら、必死になってついていったのだった。

ビーフラインは、茨城県の笠間市石井から大宮町鷹巣までの、全長21km強の広域農道だ。展望はないが、山間を縫って快適なワインディングがアップダウンを繰り返す、走りやすくて気持ちのいい道だ。近隣のライダーには人気があるようで、この日も数組のリッターSSが走りに来ていた。

ビーフラインから国道123号を左折して、5km程走ると道の駅「かつら」に到着する。
俺とshimasanさんは道の駅の横のコンビニに寄って、カップ麺やおにぎりを購入した。道の駅の無料キャンプ場でテントを張り、コッフェルで湯を沸かして昼食にするのだ。

11時15分。
出発から138km走って本日の宿営地、道の駅桂に到着だ。

この時期だというのに、意外にもキャンプ場は混雑していた。3連休だからか?おそらくそうだろう。
俺は徐行で進み、一番奥方の一角に設営場所を決めたのだった。

設営完了。
ズタ袋からストーブとコッフェルを引っ張り出して湯を沸かし、カップ麺とおにぎりを食べて昼食とした。ちなみに、俺のカップ麺はどん兵衛の天ぷらそばだ。後のせのてんぷらがさくさくしてうまい。(どうでもいーよ)

食事を終え、コンビニでかったコーヒーを飲みながら一服。
shimasanさんは俺と年齢が近いので、話が合う。バイクいじりが好きなようで、ブロンコも自分でいろいろ手を加えている。shimasanさんは根っからのバイク好きだ。バイクの話になると口調に熱を帯びることから、それと分かる。

時刻は13時を回り、shimasanさんが「じゃあ、そろそろ行きます」と言った。今日は茂木のツインリンクに寄って、筑波の方から帰ると言う。
「またご一緒しましょう」
「気をつけて」
とお互いに挨拶し、shimasanさんは左手を上げて走り去って行った。

前室に胡坐をかいて読書をしていると、聞き違えようのない、まさにハーレーの排気音が聞えて来た。俺は前室を出て立ち上がり、サイトの入り口が見える場所に移動した。サイトの脇の舗装された駐車場に、白と黒、2台のバイクが停まっていた。遠くて良く見えないが、間違いなく兄夫婦だ。
ポケットの中で携帯の着信音がなった。兄からだ。
「もしもし」
「歩き方で分かるけど、今立ってるあたり?」遠くからでも歩き方で俺だって分かるけど、テントを張ったのは俺が今立っているあたりか?という意味の質問だ。
俺は振り返ってテントとの距離を確認し、「ここから20メートルくらい奥」と答えた。
「分かった。じゃあバイクで移動するわ」そう言って兄は電話を切った。すぐにハーレー2台のエンジンが始動する音が響き渡り、いつものように映画やドラマで悪者が登場する際の雰囲気をかもし出しながら、兄夫婦のハーレーがサイトを進んできた。
ターミネイターか!って感じだ。

兄夫婦は早速設営を開始し、俺は温泉と買出しに向かった。

道の駅「かつら」でキャンプするときの定番、御前山温泉「四季彩館」に到着。
道の駅「かつら」からここまで、距離にして5キロか6キロくらいだ。多分。
券売機で1,000円の入湯券(平日は800円、午後5時を過ぎると半額になる)を買って入場し、貸切状態の露天風呂にゆーっくり浸かったのだった。

続いて、これも「かつら」でキャンプするときの定番、国道123号沿いのスーパー「Aコープ」でショッピング。道の駅「かつら」からここまで、距離にしてやはり5キロか6キロくらいだ。多分。

ステーキ用の牛ロース、トウモロコシのパックを購入。道の駅となりのコンビニでビール、赤ワイン、インスタントラーメン、おつまみの乾きもの、明日の朝食用のパンを買ってキャンプサイトに戻った。

キャンプサイトに戻ると、兄夫婦は道の駅で買った薪で焚き火を開始していた。どうやら今回も風呂には行かないようだ。相変わらずばっちい夫婦だ。(ま、お約束ということで)

乾きものをつまみにビールを飲みながら調理開始。ほどなくあたりは暗くなって来た。日が落ちるのが早くなったものだ。

フライパンで牛ロース肉のステーキとトウモロコシを蒸し焼きにし、塩コショウとガーリックパウダー、バジルで味付けをした。これを食べながら赤ワインを飲んだ。牛肉には、やはり赤ワインだ。良く分からんが、世間ではそう言われているから、そうなのだろう。

大分寒くなって来た。ねーさんは早めにテントに入って就寝。俺と兄は焚き火をかこんで酒を飲み、ばか話をしている間に夜はふけて行き、いつの間にか22時になっていた。俺は「もう寝る」と兄に伝え、テーブルや椅子を前室にしまってテントに入った。兄は残った薪を火にくべ、「焚き火が終わってから寝る」と言っていた。

携帯の目覚ましで5時に起床。羽毛シュラフ一枚でぐーっすり快眠した。
テントの中を片付けて外に出ると、まだ暗い中、兄夫婦は既に起きていた。トイレに行って洗面を済ませ、テントの傍らにもどって深呼吸。美しい曙光を眺めた。キーンと澄んだ空気が爽快だ。

時刻は6時くらい。100円ショップで買った怪しい温度計によれば、ただいまの気温は4度だが体感温度ははるかに低い感じだ。テントやバイクのシートがバリバリに凍っていた。

じっとしていると寒いので、朝食を終えて直ぐに撤収作業を開始した。動き始めるとすぐに体が温かくなり、ライディングジャケットを着ているとうっすらと汗をかくほどになった。いつもの手順でキャンプ道具をズタ袋と振り分けバッグに押し込み、テントの氷をタオルで叩き落して収納袋に突っ込んだ。

撤収完了。

兄夫婦は撤収作業中だが、先に出発させてもらうことにした。
それというのも、今日は曇り後雨の予報だし、今日はまたビーフラインを通って下道で帰る予定なので、早めに出発して降られる前に家に着きたいからだ。

朝7時15分。
兄夫婦に「それじゃあ、また」と声をかけて、道の駅「かつら」を出発したのだった。

国道123号を水戸方面に5km程走ってビーフラインに入った。
日曜の早朝のビーフラインは、車が全然走っていない。落ち着いた感じの色に紅葉した木々の中のワインディングを、俺は気持ちよく走った。

と、ここで、昨日shimasanさんが言っていたことを思い出した。曰く「コーナーではお尻をへっぴり腰みたいに後ろに突き出して、曲がりたい方向のおなかを後ろに引くようにすると自然に曲がれますよ」
俺は意識してその通りにしてみた。・・・ほんとだ!きれいに曲がれる(ような気がする)。どちらかというと苦手な右コーナーも、自然に回れる(ような気がする)!また、練習しよう!

気持ちよくビーフラインを走りきり、国道50号から国道4号に出てひたすら走った。雲行きがだんだん怪しくなり、古河市の辺りでとうとう降り出した。俺は道の駅「ごか」にCB400SSを入れ、レインウェアを着用しようかと考えた。しかし、今日のウェアはライディングジャケットもオーバーパンツも防水仕様だということに思いがいたり、一服してそのまま出発した。

弱い雨が降ったり止んだりしていたが、荷物もそう濡れることなく、ブーツに浸水するほどでもなく、問題ない程度だ。埼玉県に入って、道路は若干混雑した。俺は黙々と進んで東京都足立区に入った。

午前10時45分。
今日の朝道の駅「かつら」を出発してから142km、昨日の朝自宅を出発してから304km走って無事に帰宅したのであった。


帰宅後、兄から電話があり「あの後大変なことになってさー」と言った。「どうしたの?」と俺が聞くと、ねーさんが事故ったと言う。詳しく話をきいみると、きついカーブで曲がりきれず、対向車線を越えて縁石に突っ込み、救急車で病院に運ばれたらしい。幸い打撲だけで済み、バイクの損傷はファットボーイのホイールがへこんだのと、ウィンカーがもげたくらいだったらしく自走で帰宅できたらしいのだが、現場検証やなんやかやで大騒ぎになったらしい。早朝にキャンプ場を出て夕方帰宅し、風呂に入ったときは心底ほっとしたと、兄が言っていた。

バイクは楽しい。いまや俺の人生になくてはならない程だが、言うまでもなく危険な乗り物だ。慎重なねーさんにして事故ることがあるのだから、我々夫婦のようなお調子者は、本当に注意が必要だ。改めて気を引き締めて、安全運転でバイクライフを楽しみたいものだ。

shimasanさん、お疲れ様でした。またご一緒しましょう。暖かくなったら是非キャンプも。



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