2009年3月20日(金)、21日(土)
超爽快、朝の西伊豆スカイライン

目的地 土肥、西伊豆スカイライン
ルート
1日目 :  環七 → 国道246号 → 県道63号 → 国道1号 → 国道135号 → 県道80号 → 国道136号 →
県道17号 →「旅人岬」、「碧の丘」→ 県道17号 → 国道136号 →「土肥金山」→ 国道136号 →
「恋人岬」→ 国道136号 → 土肥温泉 (214km)
2日目 :  国道136号 → 県道127号(西伊豆スカイライン)→ 県道18号 → 国道136号 → 国道1号 →
国道246号 → 県道?号 → 東名高速(沼津インター〜東京インター)→ 環八 → 国道246号 →
環七 (173km)
走行距離 387km

年末に予定していて、骨折の為に果たせなかった西伊豆ツーリングのリベンジだ。
我々夫婦はおよそ2ヶ月前からこの3連休に狙いを定め、計画をたてた。協議の結果、土肥温泉の素泊りの宿をインターネットで予約し、俺はツーリングマップルで走行ルートを確認した。
旅人岬や恋人岬を観光し、土肥金山のドライブインでお土産を購入し、宿の貸切温泉に入って疲れを癒す。翌朝は早起きして出発し、朝の西伊豆スカイラインを走るのだ。

3月と言えば、日本では年度の変わり目、メキシコではコーヒー豆の収穫が終了する時期でもある。(だからなんでメキシコなんだよ)
ソンブレロ、サラーペ、太陽の国メキシコ。El sol de la Costa!
海岸線をツーリングしようと思うとき、またはツーリングしているとき、心の中にラ・バンバが流れるようになったのはいつのころからか。思うにこの事象には、俺がマカロニウェスタンずきだってことが影響している。で、今回も2月の千倉ツーリング同様、ラテンの陽気さと情熱を持って走るつもりだ。


我々夫婦は、頑張って午前3時に起床した。最近、国道246号の混雑には痛い目に会っているので、早めに出発して、道路が混む前に熱海位までは行っておきたいからだ。
今日は暖かい一日になりそうだが、関東から東海地方の広い範囲にかけて、午前中は雨の予報だ。俺は革ジャン、かみさんはおニューのライディングジャケットを羽織り、予めレインパンツをはいておいた。今のところ、まだ降っていないが、午前中の早い時間から降りだすと思われるからだ。
かみさんの新しいジャケットはイエローコーンの、ハイウェイマジシャン・レディースジャケットだ。色は赤。体にフィットするデザインなので、ぶかぶかなレインパンツを履いて裾をベルクロで絞ると、お前は土偶か!って感じだ。

CB400SSとビラーゴに一泊二日の荷物を積載して、準備が整った。午前4時30分、我々夫婦はB+COMのスィッチを入れ、西伊豆目指して出発したのだった。

環七のガソリンスタンドでCB400SSとビラーゴのタンクを満タンにし、国道246号を右折。早起きの甲斐があって、道はガラガラにすいている。空はまだ暗く、沿道の並木が大きく揺れる程風が強い。
出発から一時間程経過したころ、細かい雨がぽつり、ぽつりと落ちてきた。我々夫婦はすかさず、コンビニの駐車場にCB400SSとビラーゴを乗り入れた。缶コーヒーを買ってトイレ休憩をとり、駐車場でレインジャケットを着用した。俺は黒一色の忍者のような姿となり、かみさんは派手な土偶から、手足の生えたダルマさんのような姿となって出発した。

厚木を超えて国道246号を尚も走り、県道63号を左折。突き当たりの国道1号を右折した。去年伊豆高原ツーリングの際に、昼食の為に入った小田原のファミリーレストランに、今日は朝食の為に入った。時刻は8時。我々夫婦はモーニングセットを食べ、容赦なく襲い掛かる睡魔を撃退して前進を続けたのである。

小田原を越え、早川口の交差点で国道135号を左折。道路が海沿いになると、一気に伊豆の道っていう雰囲気となった。この時点で時刻は9時過ぎ位。3連休の初日だからか、道は既に混雑している。我々夫婦は車の流れに合わせてのんびり進み、熱海のホテル街でCB400SSとビラーゴを停めた。お宮の松の駐車場でトイレを済ませ、缶コーヒーを買って休憩した。

熱海から6km程南下し、下多賀の交差点を右折して県道80号に入った。いまやようやく、道路の混雑から開放された。
急勾配のクネクネ道を登り、雨の山伏峠を越える。本降りになるでもなく止むでもなく、微妙に細かい雨が降り続いている。雨の峠道、しかも下りは非常に怖い訳だが、後続車がいないのが幸いだ。我々夫婦は慎重に、安全運転で進んだ。

修善寺の辺りで国道136号に入り、西伊豆方面を目差す。雨は降ったり止んだりとなっている。

船原トンネルを抜け、土肥方面に向けて高度を下げつつ西進した。雲は徐々にその厚さを減じていき、ときおり雲の切れ間から太陽が顔を出すようになった。

土肥港の手前で県道17号を右に入り、海沿いを北上。少し走って旅人岬のパーキングにCB400SSと、ビラーゴを入れた。ここに至って雨は完全に止み、頭上には青い空、白い雲、そして眩い太陽!
我々夫婦はレインスーツを脱いだ。もはや雨の心配はあるまい。それほどまでに天候は劇的な変化を遂げている。たとえ、また雨が降ったとしても、また着ればいいだけの話だ。この美しい空の下、レインスーツを着たまま走る気になれるか?いや、無理だね。ありえない。

県道17号をさらに北上して、碧の丘から海を眺めた。まあ、なんてことない場所だ。
県道17号を戻って国道136号に入り、土肥金山のドライブインで昼食。ざるそばを1人前ずつと、天丼を半分こにして食べた。

売店でソフトクリームを買ってベンチに座って食べ、しばし休憩。お日様がぽかぽかだ。ここで俺はまた、激しい睡魔と大格闘を繰り広げたのだった。

宿のチェックインまで時間があるので、恋人岬に行き、お土産やさんを冷やかした。恋人岬というだけあって、若いカップルだらけだ。我々夫婦は、「ふーん」って感じで恋人岬を後にしたのだった。

国道136号を恋人岬から宿に向かって北上し、2007年の2月に、GNで西伊豆の海岸線を走ったときの絶景に再会した。すなわち、道の正面に横たわる駿河湾、その向こうに聳える真っ白な富士山。俺は、2年前に味わった感動と、恐らく同じ感動を味わった。B+COMのスピーカーからかみさんの「あ!富士山!」って言う声が聞こえてきた。

この景色が、国道136号のどの辺りだか分からなくなっていたのだが、恋人岬と土肥温泉のちょうど中間あたりに位置しているということが、今回のツーリングで分かった。俺はバイクで走りながら見る西伊豆の景色に、改めて感銘を受けたのだった。

時刻は15時。土肥温泉に差し掛かったあたりのコンビニでおやつとジュースを購入。少し走ると宿泊予定の宿の看板があったので、それに従って左折した。

午後3時10分。出発から214km走って本日の宿泊地、「ヴィラ・オン・ザ・ビーチ」に到着だ。

CB400SSとビラーゴを建物の脇に停め、俺は玄関を入って「すみませーん」と声を掛けた。
するとご主人が「はーい」と出てきた。
「バイクなんですけど、何処に停めればいいですか?」
ご主人はあーでもない、こーでもないと悩み、結局宿の前の通路にバイクを2台停めさせてもらった。
宿の玄関に入るとご主人が「ヴィラ・オン・ザ・ビーチにようこそいらっしゃいました」と改まった感じで言った。そして超丁寧な説明が始まった。貸切風呂の説明や近所の飲食店のこと、脇を流れる小川には昔温泉が流れていた事など、ご主人の嬉しそーな説明はいつ果てるともなく続き、我々夫婦は「ちょっと説明丁寧すぎるのでは?そろそろ部屋に入ってのんびりしたいんですけど・・・」と思い始めていた。結局ご主人の説明はたっぷり15分続き、二人分の宿泊料金と入湯税を支払って、ようやっと開放されたのだった。

かくしてようやく、我々夫婦は部屋に入れた。部屋はこぎれいな洋室だ。

ヴィラ・オン・ザ・ビーチは、土肥温泉にある素泊りの宿だ。我々が泊まった部屋は、大人一人4,800円と入湯税300円。海水浴シーズンは8,000円くらいになるらしい。

部屋の目の前は海!
すばらしいロケーションだ。我々夫婦は二人とも海好きなので大喜びだ。
我々夫婦は旅装を解いてくつろいだ。あー疲れた。とりあえず温泉に入ろう

宿には24時間入浴可能な貸切風呂が二つあり、あいていれば何回でも入れる。我々夫婦は海側の貸切風呂に入った。こちらの風呂場は目隠しの木戸を開けると目の前が海だが、海岸から丸見えなので、余り大胆に開けられないのが残念だ。海岸には観光客が結構歩いているのだ。

我々夫婦は掛け湯をして浴槽に入った。熱めの湯に浸かり、細めに開けた木戸の向こうの海岸を眺めた。

土肥温泉の源泉は、下庄田、山ノ神、水口、水口洞、中村、山脈の源泉6種を含む混合泉。
泉質はカルシウムナトリウム-硫酸塩塩化物泉で、リウマチ症疾患、 通風及び尿酸素質、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩等に効くらしい。

風呂から上がって昼寝して、夕日を見る為に午後5時30分に起きた。しかし、空には雲が広がっていて、残念ながら夕日を見ることはできなかった。6時になり、我々夫婦は夕食の為に外出した。暮れて行く海岸の遊歩道を少し歩き、土肥温泉の表通りに出て、ぶらぶら歩きながら店を探した。結局、我々夫婦はコンビニで夕食を購入して、部屋で食べることにした。飲食店は暖簾が仕舞ってあるか、どれも微妙な店ばかりだからだ。

コンビニのスパゲッティやお惣菜をつまみながら、ビールを飲み、もう一度温泉に入った。風呂から上がって日本酒とウィスキー(かみさんはジュースだ)を飲み、多分9時頃就寝したのだった。

4時起床。洗面所で歯を磨いて顔を洗い、我々夫婦は朝風呂に入った。熱いお湯に浸かって目を覚まし、部屋に戻ってのんびりと支度した。

5時40分。出発の準備が整った。我々夫婦は部屋の鍵をテーブルの上に置き(ご主人の指示だ)、忘れ物がないか確認して部屋を出た。予報によれば、今日の最低気温は7度。ちょっと寒い。
我々夫婦は宿の前の通路から迷惑にならない場所までCB400SSとビラーゴを押して行き、エンジンをスタートして暖気運転を行った。ヘルメットとグローブを装着してフェイスマスクを鼻まで引き上げて出発!

国道136号をちょっと北上し、土肥港の辺りで県道17号の分岐を左にやり過ごしてさらに国道136号を走る。道は土肥峠方面に向けてゆるい登りが続く。船原トンネルを越え、西伊豆スカイラインの看板に従って鋭角に左折し、回り込む様に進んで県道127号に出た。伽藍山のパーキングにCB400SSとビラーゴを入れ、駿河湾を眺めながら一服。

時刻は6時30分。さあ、いよいよ今回のツーリングのメインイベント、西伊豆スカイラインだ。

パーキングを出発して、我々夫婦は走った。朝の西伊豆スカイラインを!
我々夫婦と同じ方向に走る車はまったく見当たらず、たまに対向車とすれ違いつつ明るいワインディングを走る。

西伊豆スカイラインの最高所を超えて道が下りに差し掛かると、その爽快感たるや、なんと言って説明すればいいのか。我々夫婦は内陸の山々を見下ろして進み、かと思えば駿河湾の上空に向かって離陸するような感覚を味わった。そしてコーナーを越えると、正面に現れる霊峰富士!いったいどんな言葉を並べて、この道を賛美すればいいのだ。いや、言葉ではとても説明しきれない。我々夫婦は大げさでなく感動し、超爽快なワインディングを駆け抜けたのであった。

西伊豆スカイラインを走りきり、県道18号を右折。この道も相当気持ちのいい道だが、西伊豆スカイラインを走ってきたばかりなので、感動が薄い。修善寺の辺りで国道136号に入り、沼津方面に向けて北上した。この辺りは看板が分かりにくく、沼津方面に向かおうとすると有料道路の修善寺道路に入りがちなので注意が必要だ。
三島市に入って国道1号を左折。真正面にでかでかと富士山を見ながら走り、国道246号をに入り、沼津インターから東名高速に乗った。

時刻は9時くらい。電工掲示板によれば、東名高速は順調に流れているようだ。15分程走るとB+COMでかみさんが「寒ーい」と言い出した。我々夫婦は足柄サービスエリアに入り、トイレを済ませて、掻き揚げうどんを食べた。かみさんはジーンズの上にオーバーパンツ代わりにレインパンツを履いて出発。左車線を安全運転で走り、用賀で一般道に下りた。

環八から環七まで渋滞の国道246号を我慢して走り、上馬交差点で環七を左折した。

12時5分。今朝土肥温泉を出発してから173km、昨日の朝自宅を出発してから387km走って無事に帰宅したのであった。


雨の神奈川県を超え、雨の伊豆半島を横断し、伊豆半島の西側で我々夫婦は陽光を浴びた。雨の中を長時間走った後故に、そこで見た太陽と海は格別なものであった。我々夫婦は西伊豆の海岸線を走り、観光し、食べ、温泉を満喫した。

西伊豆スカイラインは土肥峠から達磨山まで、一気に走ると恐らく15分位の山岳ルートだ。我々夫婦は、この偉大な15分間を味わい、心に刻んだ。また一つ、夫婦の財産が増えた感じだ。



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