4時起床、5時15分出発。いつものセルフスタンドで給油し、環七を高円寺方面に進んだ。ハヤブサに乗った女性ライダー(いるもんだなー)にぶっちぎられたりしながらトコトコ進み、大原交差点で国道20号を右折。高井戸、調布を順調に通過し、西八王子の辺りのコンビニで朝食とトイレ休憩。日野バイパスは初めて走ったが、結構快適だ。日野橋の方から、市街地を大回りしていた頃に比べれば、はるかに走りやすい。
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八王子を超え、高尾山に差し掛かると急激に空気がひんやりしてきた。ってゆーか寒い。俺は、路肩にCB400SSを停車し、上着を羽織って再び走りだしたのだった。
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相模湖を通過し、神奈川県から山梨県に入った辺りで県道35号を左折。この道は秋山を超え、都留に入って国道139号に出る道だ。国道20号もすいてるので、大月の辺りで国道139号を左折した方が早いかもしれないが、国道20号は面白くないので県道35号を走って見ることにしたのだ。
暫くの間せまーいくねくね道を走って峠らしきものを超えると、広い片側1車線の走りやすい道になった。雲を押しのけて広がりつつある青空の下、俺はのんびりと味わい深い県道を走ったのだった。
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県道35号から国道139号を左折して南下。正面に富士山が美しい姿を見せていた。出発から神奈川県までは曇り空だったが、山梨県に入ったあたりから段々天気が良くなってきて、このあたりはもはや快晴だ。ってゆーか暑い。俺はCB400SSを道端に停車した。上着を脱いで荷物にかけたネットに突っ込み、富士山の写真を撮って出発した。
この時点で時刻はまだ9時前。俺はのんびり観光モードになり、国道139号から県道717号を左折して忍野八海を目指した。忍ぶ野と書いて「おしの」。忍野村っていう地名にはなんとなく風情があって、惹かれるものがある。
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案内板に従って忍野八海に到着し、駐車場にCB400SSを停めた。メガネとグローブをヘルメットの中に突っ込んでミラーに掛け、ハンドルをロックして歩き出すと、おじさんが近づいて来て、忍野八海の案内図を渡された。公営の駐車場だと思っていたら、お土産やさんの駐車場だったようで、「うちでお土産買ってもらったら無料になるから。よその店で買ったら有料だからね〜♪」と言われた。最後の「ね〜♪」が妙にかわいかった。ま、どうでもいいか。(うん、どうでもいいな)
俺は、案内図を見ながら湧水の池や、水車を見学した。風情のある建物の屋根や手すりから、富士山の雪解け水がさながら白糸の滝のように、上品に流れ落ちる様が涼しげだ。時刻は9時過ぎ。忍野八海のエリアには既に観光客が大勢いる。俺はここに至って、お盆時期なんだなーと実感したのである。
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忍野八海は国の天然記念物に指定されていて、その名の通り八つの湧水池がある。この湧き水は富士山の伏流水が源流とされている。忍野村は、昔は宇津湖という湖だったらしいが、約1,200年前の富士山延暦噴火により、山中湖と忍野湖に分かれた。後に忍野湖が涸れ、湧水が八つの池となったのが忍野八海らしい。
東屋の休憩所に座って一服。わらぶき屋根のお土産屋さんの向うに見える富士山が絵のようだ。俺はウエストバッグからデジカメを取り出して、一枚写真を撮った。
忍野八海の観光を終え、CB400SSを停めたお土産屋さんに戻った。なんか買わないと駐車場が有料になっちゃうので、取り合えず俺は、しょうもないキーホルダーを350円で買った。駐車場のおじさんに、キーホルダーが入ったお土産屋さんの小さい紙袋を、水戸黄門の印籠のように掲げ見せて出口を通過したのだった。
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忍野八海を出て国道138号を右折。国道138号は、観光と思われる車で混んでいた。国道138号から国道139号に入って本栖湖方面に進み、道の駅「なるさわ」に入った。時刻は10時30分。ここで早めの昼食だ。バイクが沢山停まっている場所に空きスペースを見つけてCB400SSを停め、食堂に行って650円でサラダ付きのカレーライスを食べた。(またカレーだよ・・・)
昼食を終えて喫煙所で一服。おそろいのチョッキを着た、凶悪そうなハーレー乗りのおじさん達がタバコを吸いに来て、回りを取り囲まれた。手や肩にタトゥーが入っている。なんだか怖い。俺は、タバコを早々にもみ消して包囲を突破し(包囲されてないから)、トイレを済ませて出発したのだった。
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本栖湖に向かう途中にある湖、精進湖の周りを一周してみた。精進湖は富士五湖の中で一番小さい湖で、周囲は5kmしかない。湖畔の小さな駐車スペースに、CB400SSを停めて休憩。しめしめ、だーれもいない・・・
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ということで、セルフタイマーで記念撮影だ。車が走っていないタイミングを見計らって、なんか面白いポーズをとろうと思い、4回チャレンジしたがシャッターのタイミングと、車が途切れるタイミングがなかな合わないのであきらめた。
時刻は11時30分くらい。そろそろ本栖湖に行って、本日のキャンプ場を探すことにしよう。国道139号から国道300号を少し走って本栖湖畔に到着して、まず本栖湖キャンプ場に行って見た。覚悟していたとはいえ、ものすごい混雑だ。キャンプ場の中をバイクで回ってみたが、およそテントが張れそうな場所は、どこもテントがひしめき合っている。俺は本栖湖キャンプ場を断念し、湖畔を北上して、本栖レークサイドキャンプ場に向かった。
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午後12時10分。出発から176km走って本日の宿営地、本栖レークサイドキャンプ場に到着だ。
入り口の受付で、バイク一台大人一人の料金1,300円を払って入場した。
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本栖レークサイドキャンプ場も混んではいるが、本栖湖キャンプ場よりはるかにましだし、こちらの方がロケーションがいい。俺は隅の方の一角に設営場所を決定し、キャンプの支度を開始した。
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設営完了。時刻は12時50分。日差しが強くて暑い。温泉と買出しがてら、朝霧高原方面にプチツーリングに向かうことにした。
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国道300号から国道139号に出て、富士宮方面に南下した。山梨県と静岡県の県境を越えて少し走ると、道は朝霧高原に入って行く。牧場や草原が広がる開放的な道を走り、朝霧ジャンボリーゴルフクラブの先の分岐を、左の県道75号に入った。県道75号から県道71号を直進して暫く走ると、右側に日替わり入浴施設、「風の湯」が見えてきた。
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俺はCB400SSを駐車場に停め、入浴セットを持って風の湯の建物に入って行った。受付で800円払って脱衣所に向かい、荷物と服をコインロッカー(100円、戻ってくる)に放り込んで、浴室に入った。
風の湯はこじんまりとした入浴施設だ。10人も入ればいっぱいになりそうな浴槽と、洗い場が5つと、サウナがある。浴室から外に出る扉があったので、露天風呂だと思って行ってみたら、バルコニーみたいなスペースに椅子が置いてあるだけだった。
どこにも泉質や効能が書いてないのだが、受付でもらったパンフレットにはバナジウム水のバナジウム温泉と書いてあった。なんのことやら全くわからないが、湯に浸かってみると、やわらかい感じのすごーくいい湯だ。パンフレットによれば、皮膚の老化を防ぎ、美容と健康に著しい効果があるらしい。
泉質や効能は良く分からないが、あるいはほんとに温泉なのか、なんだか怪しいが、俺はやわらかい湯を満喫した。風呂から上がって休憩所で一服しながら汗が引くのを待ち、風の湯を後にした。
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県道71号を戻り、直進すると来るときに通った県道75号になる交差点を右折して、県道71号を北上した。朝霧高原を走るなら、県道71号は是非走ってみるべきだ。草原の向う、雲の下に広がる富士の裾野。牧草地でのんびりと草を食む牛。県道71号はそういった風景のなかを走る、明るい道だ。交通量は少ないし、国道139号より全然気持ちいい。
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県道71号を北上していると、左側にAコープがあったのでキャンプの買出しをした。もやし、豚肉、さんまの蒲焼缶、ウィスキーのポケット瓶、カップの日本酒を購入。
なんとなく空模様が怪しくなってきた。Aコープからすぐの信号を左折して国道139号に戻り、まだ降るなよ〜、とか思いながらキャンプ場に戻ったのだった。
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風呂と買出しから夕方4時頃キャンプ場に戻った。雲が出てきて、日中にくらべて大分涼しくなったようだ。さあ、のんびりタイムだ。家から持ってきたビーフジャーキーをつまみに、キャンプ場の売店で買ったビールを飲んだ。テントの前室に胡坐をかいて座り、のんびりしてたら眠くなってきたので、その体制で30分位昼寝した。なんでこんな体制で眠れるのか、自分でも不思議だ。
夕方6時。俺はカップの日本酒を開けた。さんまの蒲焼缶と裂きイカをつまみに、日本酒を飲みながら夕食の支度を開始した。
今日のメインディッシュは、「もやしと豚肉の蒸し焼き・しゃぶしゃぶ風」だ。フライパンにもやしを敷き、その上に豚肉を並べる。そして日本酒を少したらし、蓋をして蒸し焼きにする。それだけだ。豚肉に火が通ったら、これをポン酢につけて食べる。この料理は家でかみさんがたまに作るのだが、簡単でおいしいので、キャンプでやってみたのだ。もやしと一緒に、たまねぎやキャベツを入れてもいいかもしれない。
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いまや日が落ち、湖畔のキャンプ場を夕闇が支配しつつある。幸い、懸念されたゲリラ雷雨は、今のところ大丈夫そうだ。俺は立ち上がり、幻想的な空にカメラを向けた。シャッターを切る瞬間、ボンッ!ヒュ〜〜!っていう音が聞こえた。ん?なに?続いてパーン!。打ち上げ花火だ。あちこちで子供達が「花火ー!」、「きれいー!」と歓声をあげた。日本の夏だなー。
夜8時。トイレを済ませて歯を磨き、テントに入った。ウィスキーを飲みながら30分程読書して、夏用の寝袋にもぐりこんだのだった。
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朝4時に携帯の目覚ましが鳴ったが止めて寝てしまい、4時30分に起きた。テントの中を片付けて外に出てみると、あたりは早朝の薄明かりに包まれていた。厚い雲が対岸の山を包みこむように低くたれこめていて幻想的だ。しかし、そこはかとなく雨の予感。
俺は歯を磨いて顔を洗い、コーヒーを沸かしてデニッシュパンの朝食をとった。食後の一服もそこそこに、撤収開始。お盆のUターンラッシュに巻き込まれたくないので、早めに出発するのだ。
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6時10分に撤収を完了して、キャンプ場を出発した。国道300号から国道139号に出て、富士吉田方面に進む。お盆時期だとはいえ、この時間の道はまだがらがらだ。富士吉田のあたりで左折して、国道139号を北上して暫く走り、往路に通った県道35号を右折。
県道35号の自販機コーナーで缶コーヒーを飲みながら一服。こんな感じの無人自販機コーナーが、俺は何故か好きだ。
走りやすい2車線道路を走りきり、狭い山道にさしかかると、とうとう細かい雨が降ってきたが、峠を越えれば止むだろうと推測し、レインスーツをつけずに走った。
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県道35号から国道20号を右折し、相模湖を越えても細かい雨が降ったり止んだりしていた。大垂水峠のあたりでは本格的な雨となったが、すでに衣服はしっかり濡れている。いまさらレインスーツを着るのもばからしいので、寒いのを我慢してそのまま走った。
高尾山を越えて八王子市内に入り、日野バイパスの途中にあるコンビニでトイレ休憩。暖かい缶コーヒーを買って飲みながら一服した。
時刻は午前9時。まだ国道20号は空いている。府中のあたりでようやっと雨があがり、調布、高井戸を越えて環七を左折。
午前10時15分。キャンプ場を出発してから153km、昨日の朝自宅を出発してから387km走って無事に帰宅したのであった。
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