環七のセルフスタンドで給油し、国道254号を右折。ゴールデンウィークの混雑を避ける目的で、3時起きし、4時に出発するつもりだったが、4時40分出発になっちゃったとはいうものの、順調に進んだ。早起きをした甲斐があったと言うものだ。
出発から1時間20分走ったあたりでコンビニに入り、いつものようにパンとコーヒーを買って朝食とした。さすがゴールデンウィーク。雨の予報だと言うのに、ツーリングのバイクが多い。
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道の駅神川でトイレ休憩。XR乗りのライダーに「どちらまで?」と声をかけられ、南伊那のあたりまでと答えた。XR乗りさんは新潟の方まで行くらしい。「このまま、254で行くんですか?」と聞かれて、「そうです」と答えると、内山峠の近くに200円でこんにゃく食べ放題の店があって、そこのこんにゃくがすごく美味しいと、教えてくれた。これから新潟に向かうと言うXR乗りさんが先に出発し、俺は「お気を付けて」と声をかけた。XR乗りさんは「どーもー」と言って走り去った。よし、内山峠のこんにゃく、食べてみよう。
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神流川を渡って群馬県に入り、引き続き国道254号を順調に走った。道の駅下仁田でトイレ休憩をとり、缶コーヒーを飲みながら一服。キャンプ道具を積んだハーレーが2台停まっていた。
俺が最後にチェックした天気予報では、群馬県も長野県も今日は午後から雨のはずだ。しかし、既に空気は重苦しくしめっていて、行く手の内山峠のあたりは霧に覆われている。いつ降り出してもおかしくない雰囲気だ。
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道は内山峠に向けて、徐々に高度を上げながらカーブが連続するようになり、今や空気の重苦しさは臨界点に達しつつある。俺はこの先の雨を確信した。それというのも、対向車線を走る車のボディーが、雨に濡れているのが見て取れるようになって来たからだ。
そしてとうとう、細かい雨が降り出した。俺はすかさず、CB400SSを邪魔にならないところに停め、レインスーツを着用した。俺は頭陀袋の中や振分バッグの中の、濡れてはならない物に施した防水(防水のスタッフバッグに入れたり、ビニール袋で包んだり、タッパーに入れたりだ。)を頭の中で確認し、雨の峠に向けて出発した。俺は雨に気をとられ、XR乗りさんに教えてもらった、こんにゃく屋さんのことは、頭から完全に消え去っていたのだった。残念。
雨と霧の内山峠を超え、どうにか長野県佐久市に入った。あーこわかった。
佐久市街で国道141号を左折して南下。 雨は徐々に小降りになり、コスモス街道の辺りで完全に止んだとはいえ、俺はレインスーツを脱がずに走った。このさき、いつ降り出してもおかしくないからだ。
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国道141号と併走する小海線の八千穂駅のあたりで、清水町っていう交差点を右折して国道299号に入った。いよいよメルヘン街道だ。(照 ←(なんで照れるんだよ)
八千穂高原に向かってつづら折れの道をぐんぐん登っていった。道端のところどころに残り雪が現れ、次第にその量が増えていった。
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かなり高度が上がってきた。八千穂高原スキー場を超えて、少し走ると「ふるさと」っていうレストハウスがあったので、CB400SSを駐車場に入れた。入れ替わりにツーリングのグループが出発して行った。俺はCB400SSのエンジンを停止し、メットとグローブをはずしてハンドルに掛け、バイクを降りてレストハウスに入って行った。時間は11時30分。ここで昼飯を食うことにしたのだ。お土産屋さんの奥に土足厳禁の食事スペースがあり、ガスストーブが焚かれている。かき揚げうどん(700円)を食べた。俺は、ツーリング中の食事は腹八分目に決めているのだ。腹いっぱい食べて眠くなったら困るし、満腹で腹を撃たれると、腹膜炎を起こしやすいと大藪春彦の小説で読んだことがあるからだ。(誰に撃たれるんだよ)
レストハウス「ふるさと」を後にして走ってたら、コーナーを抜けてきた反対車線のバイクのライダーと、タンデムの人がそろってピースサインを送ってくれた。俺は完全に不意を突かれた。俺もピースを返したかったが、時既に遅し。そのまますれ違ってしまった。悔しい。猛烈に悔しい。初めてもらったピースサインだったのに、返すことができなかったのだ。地団駄踏んで悔しがりたかったが、運転中なので無理だ。後で休憩するとき地団駄踏むことにしよう。
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霧のくねくね道を必死になって走り抜け、ようやっと麦草峠に到着。麦草峠の標高は2,127m。日本の国道で、志賀草津道路の渋峠の次に標高が高い地点だ。奥多摩の最高峰、雲取山より110mも高い。道理で寒いわけだ。道の両側の斜面が、一面雪で覆われている。
麦草峠を後にして、下りのくねくね道を必死になって走った。国道299号のこの辺りは蓼科高原だ。雲のせいで展望が良くないのが残念だが、白樺の美しい森の道を俺は味わいつつ走った。さすがは森と湖の北八ヶ岳って感じだ。
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メルヘン街道(照れ)を走りきり、国道299号から国道152号に入った。俺は脇道にCB400SSを停め、北八ヶ岳の峰々をながめながらのんびりと一服したのだった。
国道20号を越え、中央高速の高架を潜ると、国道152号は峠道となり、悪いことにまた、雨が降って来た。俺は、くそっ!また雨の峠かよ。とメットの中で悪態をつきながら超慎重に運転した。山道を越えて茅野市から伊那市に入り、高遠のT字路を右折して国道361号に入った。天竜川を渡って、国道153号を左折して南下した。後は御座松キャンプ場がある、南伊那郡の飯島町七久保まで、国道153号を走るだけだ。
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そろそろ、キャンプの買出しをしよう。国道153号沿いには、大小のスーパーが沢山有る。大きなスーパーに入ると、目的のものを探すのに時間がかかって疲れちゃうので、小規模なスーパーを選んでCB400SSを駐車場に入れた。
もやし、竹の子の水煮のパック、カップの日本酒、冷凍の海老、イカ、ハマグリのミックスが適量だったので購入。スーパーを出てコンビニに寄り、明日の朝食用のパンを購入した。引き続き国道153号を走り、飯島駅のあたりで、町役場入り口っていう交差点を右折。県道15号を越え、中央高速を越えて道なりに進んだ。
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14時50分。出発から301km走って、御座松キャンプ場に到着だ。
想像していた通りのキャンプ場だ。気に入った。ゴールデンウィークだし、バイク乗りの間では有名なキャンプ場らしいし、混雑してるんじゃないかと懸念したが、先客は車で来ている二組だけだ。俺は川に面した隅っこの方に設営することに決定した。さっさと設営して温泉に行こう。
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設営完了。
温泉行って、「うぇ゛〜」って言って、帰りにコンビニ寄って、ビール買って、キャンプ場に帰って来て、ビール飲もう。(なんじゃそらっ!)
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県道15号を右折して、町営の信州松川温泉「清流苑」を目指す。清流苑はツーリングマップルにも載ってるので、それを頼りに向かったのだが、ツーリングマップルでは分かり難い。俺は迷いに迷って、片道10kmくらいの道のりを、25kmくらい走り回ってやっと到着することが出来たのだ。
俺は受付で400円払って入場した。服を100円のロッカー(戻ってくる)に入れて鍵をかけ、浴室に入って行った。シャワーで掛け湯をして湯に浸かった。気持ちいい!運転の疲れが一気にとれる感じだ。キャンプ場に到着して、風呂は若干めんどくさくなっていたのだが、来て良かった。
清流苑には、岩の露天風呂、檜の露天風呂、天然温泉の内風呂、ラジウムイオン鉱物泉、絹の湯、ジェットバス、薬湯、座湯&足湯、サウナがある。施設もきれいだし、これで400円は安い。泉質は弱放射能冷鉱泉(ほ、ほうしゃのう?)で、皮膚病、神経痛、高血圧、婦人病、冷え性などに効くらしい。
俺は満足して清流苑を後にした。コンビニによって、缶ビールを買ってキャンプ場に戻った。
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キャンプ場に戻ってビールを飲み、のんびりと一服した。時間は18時。相変わらず俺の他には、先客の二組がいるだけだ。俺はキャンドルランタンに火を灯し、カップの日本酒を飲みながら夕食の支度を開始した。
フライパンでバターを溶かし、冷凍の海老、イカ、ハマグリともやしを炒め、醤油をたらして食べた。プチ海鮮バーベキューだ。思いの他うまい。
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続いて俺は、竹の子の水煮のパックを空け、輪切りにしてバターと醤油でソテーした。最近、バター醤油の炒め物がマイブームなので、ふと思い立ってやってみたのだが、竹の子の食感とバターと醤油の焦げた香りが相まって、これがなんとも・・・・うまくない。(まずいのかよ)
失敗だった。二度とやらない。
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食事を終えてのんびりしてたら、止んでいた雨が再び降り始めた。俺はステイシーの前室に場所を移した。風上側の入り口を閉め、雨がフライを叩く音を聴きながら、ウィスキーをちびちび飲んだ。30分程そうして、20時30分ごろインナーテントに入り、寝袋にもぐりこんだのである。
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朝4時頃目が覚め、明るくなるのを待ってテントの外に出た。そして深呼吸をした。雲の切れ目に青空がのぞき、木々のどこかで鳥たちがチュンチュンと囀っている。俺は川原に下りて歯を磨き、川の水で顔を洗った。
コーヒーを沸かして昨日コンビにで買った朝食を食べ、しばらくノンビリして撤収を開始した。
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撤収完了。
ゴミを黒いビニール袋に入れて荷物のネットに括り付け、朝6時30分にキャンプ場を出発した。
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キャンプ場を後にして、中央高速と県道15号を越え、国道153号を伊那市方面に北上した。今や雲の切れ間が大きく広がりつつあり、朝の陽光が光の筋となって、南信濃の台地に降り注いでいる。俺は、右に南アルプス、左に中央アルプスの峰々を眺めながら、CB400SSを走らせた。
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国道361号、国道152号を走って国道20号を右折。小淵沢のあたりで道の駅「蔦木宿」に入ってトイレ休憩と一服。この道の駅には、つたの湯っていう立ち寄り湯があるらしい。
道の駅蔦木宿を出て、東京方面に走る。甲府市街で道が混雑したが、我慢して進んだ。勝沼インターの手前でガソリンスタンドに入って、タンクを満タンにした。財布から1,000円札を2枚抜き出して、ウエストバッグのポケットに入れ、9時30分に勝沼インターから中央高速に乗った。勝沼から高井戸までの高速料金は、ちょうど2,000円なので取り出しやすい場所に用意しておいたのだ。
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中央高速の上りは、全く混雑することなく、順調に走行することが出来た。俺は左車線を安全運転で走った。天気が急速に回復していて、太陽が顔を出し、高速道路を走行してても全く寒くない。反対車線にはハーレーのグループや、リッターSSのマスツーリング、果ては大人数の旧車会にいたるまで、ツーリングに向かう(旧車会もツーリングって言うのか?)バイクが沢山走っていた。
藤野パーキングエリアでトイレ休憩。缶コーヒーを飲みながら一服して出発した。藤野パーキングから先も順調に進み、八王子料金所で2,000円払い、国立・府中、調布インターを通過して高井戸で降りた。
11時45分。キャンプ場を出発してから250km、昨日の朝自宅を出発してから585km走って無事に帰宅したのだった。
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