4時30分に起きて支度をし、5時30分に家の玄関を出た。世の中まだ真っ暗だ。そして寒い。先週のキャンプツーリングも寒かったが、今日の寒さはとても11月とは思えない。出発前に見た天気予報では、今週は今年一番の冷え込みを毎日更新し、今日がピークだと言っていた。俺は3月以来封印していたフェイスマスクを装着し、怪しい正義の味方となって出発したのである。
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環七のセルフスタンドで給油し国道254号を右折。寒さをこらえてガンガン走り、東松山市(多分。坂戸市かも)のコンビニでトイレ休憩。暫く店内をうろうろして温まり、缶コーヒーと肉まんを買って駐車場で食べた。
予報によれば今日は快晴。風も弱く穏やかな一日になるはずだ。
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コンビニを出て国道407号の分岐を右にやり過ごし、関越道の東松山インターを超える。暫く走って「志賀」っていう交差点を左折。俺はCB400SSを道端に停車し、ツーリングマップルでルートを確認しながら一服したのだった。ここでズボンのチャックが全開だったことが発覚したが、気にしない!(どーりでスースーすると思った)
ツーリングマップルにはこの道には国道とか県道の表記がないのだが、道路標識を見るとこの道も国道254号らしい。国道って不思議だ。
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道の駅「おがわまち」でトイレ休憩。誰もいないので、セルフタイマーでCB400SSと俺を撮ってみた。
謎の国道254号はまっすぐ行くとおがわまち駅のあたりで県道11号になる。市街地を走り抜けると、景色は徐々に素朴な田舎の景色になって行く。道幅が広く信号も車も少ないので快適だ。
県道11号は「落合橋」の交差点を直進すると県道294号になり、県道11号を行くには左折することになる。おれは落合橋の交差点を左折し、少し走って県道361号を右折したのだった。
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いや、ほんと、この辺はすごいよ。東京から80キロ強しか走っていないのにこの山奥感。突然現れた山間の人里。昔話の隠れ里の雰囲気だ。
暫く見てたら、住民らしいおじさんが原付のスクーターで通りかかり、俺をまじまじと見ながら通り過ぎていった。いえ、決して怪しいものではございません。あ!ファイマスク!!こんな姿でじっと人の家見てたら、怪しまれてもしょうがないかも。
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カーブが連続する細い道を登っていくと、だんだん明るい高原の道のようになってきた。気温は低いが陽光が暖かい。
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彩の国ふれあい牧場の辺りは素晴らしい展望だ。秩父の連なる山々や、秩父市外が見渡せてものすげーいい眺めだ。このあたりは、道幅が広く、勾配もカーブもゆるいので快適だ。レジャーシート持って来てお弁当でも食べたくなるような場所だ。残念ながら俺はお弁当を持ってこなかったので、缶コーヒーをのみながら、地べたに座って一服したのだった。
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さいの国ふれあい牧場をを超えると、道は樹林の中の細い山道になって行く。落ち葉や樹木の種子が降り積もっているので後輪がすべりそうで怖い。俺は低速で注意深く進んだのである。
午前8時50分。出発から84キロ走って二本木峠に到着だ。
日本木峠は埼玉県皆野町と東秩父村の間の峠だ。熊襲の国を平定し日本武尊が天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を持って東国平定に赴いた際に、この峠で食事に使った箸が二本の杉の木になったという伝説が残っている。
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県道361号の山道を下りきり、県道82号を左折。快適な道を暫く走って県道11号を左折。再び山道を登って行く。県道361号はほとんど車が走っていなかったが、県道11号ではたくさんのオートバイとすれ違った。多分国道254号から国道140号の山梨方面へのショートカットに利用しているのだろう。
高度が上がるにつれ、山々の樹林が色づいて来た。ツーリングマップルでも、この辺りには紅葉ポイントのマークがついている。紅葉にしてはちょっと地味だけど、しっとりしてていい感じだ。
それにしてもだ。降り積もった落ち葉や、樹木の種子がほんとに怖い。何回も後輪がズリってなった。
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定峰峠を越え、細い急勾配の山道を注意深く降りてきた。山道の最後のほうで、美しいグラデーションのモミジが道に張り出していた。俺は大喜びで紅葉のトンネルをくぐったのだった。
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さっきはは右折した県道361号の分岐を左に見て直進。県道361号、県道82号、県道11号を走りついで、山道をぐるっと回ってきたのだ。落合橋の交差点を右折して暫く走り、謎の国道254号に入ったあたりで、再び道の駅「おがわまち」にCB400SSを停めてトイレ休憩をとった。
謎の国道254号から、正真正銘の国道254号を右折して東京方面を目指す。ツーリングの帰りに川越街道を使うのは初めてだが、川越から先はすごい混んでた。今日が特別なのか、いつもそうなのかは分からないが、上りの川越街道は二度と使わないと誓ったのだった。
国道254号から環八、国道122号を走りついで、午後1時10分。出発から198km走って無事帰還したのである。
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