川崎市宮前区のGSでガソリンを満タンにし、厚木のあたりのコンビニで朝食とトイレ休憩。今日は本格的に冬の寒さだが、結構バイクが出ていて、コンビニにもバイクのグループが二組いた。
俺は缶コーヒーと、チーズスティックパンを買い、いつものように駐車場で食べた。3人連れのバイクグループの女の子が俺の方に歩いて来た。バイクはゼファーとアメリカンの2台だから、女の子はどちらかにタンデムしているのだろう。ライダーは二人とも凶悪そうな若者だ。な、なに?ドキドキ・・・とちょっとビビッてたら、女の子は俺に関西弁で道を尋ねたのだった。俺はツーリングマップルをタンクのマップホルダーから出して調べ、親切に教えてあげたのだった。「ありがとうございました。」女の子は丁寧に礼を言い、二人のところに戻っていった。アメリカンの後部シートに乗った女の子と、凶悪そうな若者二人は、三人そろって大声で、「ありがとうございました!」と言って去って行った。
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国道246号は交通量が多いので、なかなかペースが上がらない。本厚木を越えて、1車線になってからは信号待ちの車が結構並ぶようになり、さらにペースが落ちてきた。しかし、急いでもしかたないし、俺はすり抜けずにのんびりと走った。スピード出すと寒いからちょうどいい。
のんびりながらも順調に進み、伊勢原市、波多野市、松田町を越えて山北町に入った。国道246号の温度表示は7度だ。今日は冬用のライディングジャケットの下に、ウィンドストッパーのインナーを着ている。ズボンは冬用の防寒、防水パンツを履き、その下には山用のももひきを履いてきた。しかし、太陽が出ていないので長時間走っていると、体の芯から冷えてくる。膀胱も限界に近づいてきたので、国道246号から丹沢湖方面に少しそれ、道の駅「山北」でトイレ休憩。自動販売機で缶コーヒーを買って、一服したのだった。
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道の駅「山北」を出て国道246号に戻った。御殿場のあたりで県道23号を右折し、国道469号の交差点を超える。さあ、いよいよ富士山スカイラインだ。晴れてれば正面に富士山がドッカーンと見える筈だが、今日は雲しか見えない。っていうか寒い。この先高度が上がったら、もっと寒くなるんだろうなー。しかし、下がる気温とテンションをものともせず、俺は果敢にも前進を続けたのだった。
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富士山スカイラインは、御殿場市から富士宮市を結ぶ、富士南麓の県道23号、県道152号、県道180号を合わせて34.5kmの周遊道路だ。正式な名称は表富士周遊道路と言い、日本の道百選に選ばれている。昔は有料道路だったが、1994年から無料になったらしい。
冬枯れした木々の中を高度を上げつつ進む。天気が良くても展望はそれほどなさそうだが、適度なワインディングときれいな樹林の中の道は結構快適だ。しかしだ。覚悟していたとは言え、やっぱり寒い(特に顔が)。電光掲示板に表示された、ただ今の気温は3度だ。俺はコーナーのライン取りと鼻水に神経を集中しながら走った。
有料道路の南富士エバーグリーンラインの入り口を過ぎ、水ヶ塚駐車場に入った。ここで俺は、思う存分鼻をかみ、昼食にレストハウスでラーメンを食べて一服したのだ。
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水ヶ塚駐車場を出て暫く走ると、富士山スカイラインはいつの間にか県道180号になり、下りのタイトなコーナーが連続するようになる。うまいライダーには楽しい道なのだろうが、俺には結構怖い。しかし、下るにつれ気温が徐々に上がって来たようで、顔が痛いほどの寒さは薄らいできた。
富士山スカイラインを下りきったあたりで県道72号を左折。暫く走って国道469号に出た。このあたりの国道469号は広々して気分爽快だ。富士山スカイラインより気に入った。俺は路肩が広くなっている場所にCB400SSを停車した。そして考えた。さてどこでキャンプしよう。このあたりにはキャンプ場がたくさんある。俺はツーリングマップルで検討し、カントリーベアーファミリーキャンプ場と富士すそ野ファミリーキャンプ場を見に行くことにした。この2つは隣接してるので、よさそうな方でキャンプするつもりだ。
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国道469号を御殿場方面に走り、直進して県道24号に入る。少し走るとカントリーベアーファミリーキャンプ場と、富士すそ野ファミリーキャンプ場の看板があるので、それに従って左折。小さな橋を渡って坂を上っていくと、カントリーベアーファミリーキャンプ場が見えて来た。すぐ先には富士すそ野ファミリーキャンプ場の入り口がある。両方ともファミリー向けのキャンプ上だがこの時期は空いていて、静かにキャンプできそうだ。双方のサイトを見比べたら、カントリーベアーファミリーキャンプ場の方が、若干テントの数が多そうだ。俺は富士すそ野ファミリーキャンプ場に決定したのだった。
午後13時10分。出発から187km走って本日の宿営地、富士すそ野ファミリーキャンプ場に到着である。俺は受付で、バイク料金2,100円(ちょっと高い)払ったのだった。
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キャンプ場のご主人が「案内するからちょっと待ってて」と言うので、受付の外で待っていると、ご主人が出てきてゴルフのカートのような乗り物に乗り、「ついて来て」と言う。俺はサイトへ向かう上り坂を超低速で、フラフラしながら付いて行ったのだった。
このキャンプ場は斜面を広い段々畑のように造成されていて、広々として開放的だ。キャンプ場全体が良く手入れされているようで、芝生が無茶苦茶きれいだ。
俺は指定された場所にCB400SSを停めて荷物を降ろし、設営を開始した。奥の方に設営しいる家族連れの子供たちが、興味津々と言った様子でこちらをじっと見てる。ん?なに?
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設営を完了して一服したので、温泉だ。キャンプ場からすぐの場所に「ヘルシーパーク裾野」っていう日帰り入浴施設がある。歩いても行けるらしいが、温泉に入った後キャンプの買い物もしたいので、バイクで出かけた。キャンプ場からヘルシーパーク裾野まで、細かい道をごちゃごちゃ走って、プチ迷子になったりしながらどうにかたどり着いた。
俺は入り口の券売機で500円の入浴券を買い、受付に渡して脱衣所に向かった。
ヘルシーランド裾野はすごく大きい施設で、内湯、広い露天風呂、サウナ、打たせ湯があり、別料金で温水プールも利用できる。
泉質はカルシウム・ナトリウム・塩化物温泉(高張性・弱アルカリ性)で、神経痛、筋肉痛、関節痛、慢性消化器病、冷え性等に効く。100%天然温泉で一部循環ろ過しているらしい。
今、午後2時30分位だが入浴客がたくさんいる。俺は一箇所だけ空いていた洗い場で体と頭を洗い、露天風呂にゆーっくり浸かった。晴れてれば富士山が見えるらしいが、曇っててだめだった。残念!
ヘルシーパーク裾野を後にして国道469号と県道24号の交差点付近まで走り、小さいスーパーとコンビニで食材や酒を買ってキャンプ場に戻った。
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サイトに戻って、ジャッキーカルパスを食べながらビールを飲んでたら、奥のサイトの子供たち3人が近づいて来た。ひそひそ話をしながらこちらを見ている。バイクでキャンプをしていると、どうも子供達の、特に男の子の興味を引くようだ。自分達のファミリーテントより遥かに小さい、ツーリング用のテントも気になるのだろう。子供達はさらに近づいて来た。そして無言で俺を取り囲んだ。なんだか怖い。
「なにしてんの?」男の子が俺に聞いた。なにしてんのって・・・「キャンプだよ。」俺は答えた。「あ、こんにちは」男の子が言った。多分キャンプ場では他のキャンパーに挨拶するように親に教えられているのだろう。変な順番だが、俺も「こんにちは」と挨拶した。別の子が「なんで一人でキャンプしてるの?」と言った。「一人でキャンプするのが好きなんだよ。」「ふーん。じゃあ、お邪魔しました。」男の子がそう言い、3人は奥のサイトに戻って行った。一人が駆け出すと、あとの二人も「キャーッ!!」とか言いながら後を追い、3人はキャーキャー言いながら全力疾走で自分達のサイトに駆け戻ったのだった。・・・・・・・・・・・・・さ、めしにしよ
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100円ショップのフライパンで牛脂を溶かし、スーパーで買って来た牛肉にクレイジーソルトをまぶして焼く。そして食う。カップの日本酒を飲む。肉にクレイジーソルトをまぶす。焼く。食う。日本酒を飲む。肉を食う。酒を飲む。食う、食う、食う。・・・・・ちょっと肉が多すぎた。買って来た牛肉はまだ半分以上残ってる。スーパーには適量のパックが売ってなかったのだ。いい加減飽きてきたが、もったいない。俺は若干気持ち悪くなりながら、根性で全部食べたのだった。そして、ちょっと残った日本酒を一気に飲んだ。
俺はやり遂げ、コーヒーを沸かして食後の一服を楽しんだのである。
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そしてラーメン。口の中がぎゅうにくーーーっ!って感じなのでラーメンで口直しだ。寒い時のラーメンはうまい!俺はハフハフ言いながら札幌一番塩ラーメンを食べた。
午後7時。日が落ちてから一気に気温が下がってきた。CB400SSのシートに置いた気温計は4度を示している。外にいると寒いのでテントの中で読書をすることにした。俺はキャンドルランタンの炎を吹き消した。そしてテーブルと椅子を前室にしまってテントに入ったのだった。
シュラフに足を突っ込んで、ウィスキーのポケット瓶をちびちびやり、ヘッドランプで読書を開始したら、すぐに眠くなってしまった。もうだめだ、寝よ。
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朝5時40分。携帯の目覚ましがなる前に目を覚ました。前室に置いた気温計を見ると、0度を示している。今回のシュラフはイスカのパフ450だが、寒さを感じることなく、快適に眠ることができた。俺はテントの中を片付け、表に出た。日の出直前。東の空がオレンジ色に輝いている。一片の雲もない、美しい朝だ。
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振り向くと、キャンプ場の西側に、昨日は見ることのできなかった富士山が堂々と聳えている。このキャンプ場からは、どのサイトからも富士山が見えるのだ。
俺は洗面所で歯をみがいた。冷たい水で顔を洗い、肩にかけたタオルで顔と手を拭った。そして深呼吸。富士山麓の清清しい空気を楽しんだ。サイトに戻ってコーヒーを沸かしてロールパンを食べ、富士山を眺めながら一服。日が昇ってから気温が上がってきたようだ。
30分程のんびりして撤収。受付の前でゴミを分別して捨て、キャンプ場のご主人に挨拶して富士すそ野ファミリーキャンプ場を後にしたのだった。
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キャンプ場を右に出て狭い坂道を下り、県道24号を右折。県道24号は真正面に富士山を見ながら走ったりして気持ちのいい道だ。予報に反して天気は最高だし、早朝の冷たい空気も、寒いと言うよりむしろいい気持ちだ。俺は早朝の誰もいない県道をゆっくり進んだ。
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県道24号から国道469号を右折。スタンドでガソリンタンクを満タンにして御殿場方面に進む。県道23号を右折して少し走り、国道246号を左折。5km程走って、道の駅「ふじおやま」でトイレ休憩。ここでも富士山をでかでかと見ることが出来た。
道の駅「ふじおやま」を後にして国道246号で東京方面に進む。今日は天気が良く、気温が上がりそうだ。反対車線にはツーリングのバイクグループや、ソロのライダーがたくさん走っている。
国道246号の厚木あたりで一度脇の道にそれ、缶コーヒーを飲みながら一服。その後は一気に走って環七を左折・・・と思ったら通り過ぎてしまい、環六を左折。新宿や池袋あたりで若干混んでたが、11時50分頃無事に帰宅したのだった。
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