2007年8月18日(土)、19日(日)
松原湖高原で避暑キャンプ

目的地
1日目 :  環七 → 国道257号 → 国道141号 → 県道127号 → 県道480号
→ 松原湖高原オートキャンプ場(226km)
2日目 :  松原湖高原オートキャンプ場 → 県道480号 → 県道127号 → 国道141号
→ 中央高速 → 国道20号 → 環七(211km)
走行距離 437km

久しぶりのキャンプだ。道志にキャンプツーリングに行ってから、普通自動二輪小型限定免許を限定解除し、GN125HをCB400SSに買い替え、梅雨が明けて真夏となった。時は休むことなく動き続け、すべての物事は例外なく変転して行くのだ。ここんとこものすごーい暑さが続いている。俺はWEBや書籍のキャンプ場ガイドで高原の、なるべく空いてそうなキャンプ場を探し、そして松原湖高原オートキャンプ場に行くことに決定したのだった。

昨日は定時に会社を出て速攻で帰宅し、いそいそとキャンプの準備をした。調味料、カセットガス、電池をチェック。ハンガーにつるしてある夏用のシュラフをまるめて収納袋に押し込んだ。夏のキャンプは冬に比べて、格段に荷物が少ない・・・・はずだが結構な荷物になってしまった。

今日は4時に起きた。準備しておいた荷物をCB400SSに積載。初めて大荷物を積むのでちょっと不安だったが、純正キャリヤのおかげで問題なく積載を完了し、朝5時10分に出発したのである。

環七から国道254号を右折し、順調に走った。夏休みなので道が混むんじゃないかと思ったが、意外と空いてる。太陽が昇っていてもいい時間だが、見渡す限りの空は分厚い雲に覆われている。天気予報では今日の長野県はまあまあな天気のはずだ。しかし、埼玉県や群馬県の天気はチェックするのを忘れてた。ちょっと心配になって来た。

国道16号を超え坂戸市に入ると、とうとう細かい雨が降り出し、あっという間に本格的な雨となった。俺はバイクを道端に止め、レインスーツを着て再出発したのだった。

東松山市のコンビニでトイレ休憩と朝食。時間をかけて一服したが、雨がやむ気配は全くない。俺は出発し、雨の埼玉県を注意深く走りぬけて群馬県に入った。群馬県に入ってから、所々雨が降っていない場所もあったが、上信越自動車道の下仁田インターを超えて山道に入ると、高度を上げるにつれて強い雨になって来た

雨と霧の山道を超え、内山トンネルを通過して長野県に入った。去年の9月にこの道を通ったときもそうだったが、内山トンネルの長野県側は、雨が降った形跡が全くない。不思議だ。
コスモス街道を超えると、空が明るくなって段々気温が高くなってきた。この先雨の心配はなさそうなので、俺はレインスーツを脱ぐためにバイクを停車した。

レインスーツを脱いでいると、ZRX(多分)が反対車線に停車し、「この先雨ですかー?」と言った。俺は「内山トンネルから先は降ってますー」と答えた。道の向こう側とこっち側だから、お互いに大声だ。ライダーは「あ、やっぱり。どーもー」と言って左手を上げ、雨に向かって走り去って行った。俺は脱いだレインスーツを荷物に掛けたネットに押し込み、一服して前方の青空に向かって出発したのである。

国道254号から国道141号に入った。空を占める雲の面積は劇的に減少し、真夏の日差しと蝉時雨の中、高度を上げつつ野辺山方面に南下する。

小海町に入り、キャンプ場に近づいて来た。キャンプの買い物をしたいのだがなかなかスーパーがない。それはそうと、とりあえず腹が減ってきた。俺は国道141号沿いの食堂に入ってざるそばを食べ、レジで店員さんに「この辺にスーパーありますか?」ときいてみた。すると店員さんは、「となりがスーパーです」と教えてくれたのだった。

食堂のとなりのピクシーというスーパーにCB400SSを移動し、キャンプの食材ショッピングだ。ワンカップ大関、2リットルのミネラルウォーター、トリスのポケット瓶、100円の酢いかとサラミソーセージ、さんまの蒲焼缶を購入。さんまの蒲焼缶は日本酒のつまみに必須なのだ。ジンギスカン用の肉のパックが適量だったのでこれも購入。牛肉を買いたかったのだが、焼肉に適した牛肉が売ってなかったのだ。このスーパーは小さいので、品揃えはあまり良くないが、キャンプ場からは近いので便利だ。

スーパーを出て少し走り、「松原湖入り口」の交差点で県道127号を右折するとすぐに松原湖だ。

松原湖は八ケ岳の天狗岳の噴火でできたいくつかの湖沼の総称で、一般に松原湖とよばれているのは最も大きい猪名湖(いなこ)のことらしい。ほかに長湖や大月湖などがあり、夏はキャンプやハイキング、ボート、サイクリングを楽しむ人で賑わう。冬には松原湖高原スケートセンターがオープンし、湖面が全面氷結する12月下旬〜3月上旬までは、ワカサギの穴釣りも楽しめるらしい。

俺はCB400SSをボート乗り場の駐車場に停め、一応、猪名湖の写真を撮ってみた。こじんまりとした湖だ。

県道127号から県道480号に入り、高度をぐんぐん上げながら山道を走る。しばらくすると右側に「八峰の湯」という日帰り入浴施設がある(こんなところに日帰り温泉が!後で来よっと!!)のでその先を右折。すぐにキャンプ場の案内板があるので、案内板にしたがって右折。

12時40分。出発から212km走って、本日の宿営地「松原湖高原オートキャンプ場」の受付に到着である。

「松原湖高原オートキャンプ場」は全サイトフリーサイトで、バイク一台大人一人で650円だ。俺は受付で宿泊者名簿に記帳して料金を払って入場したのだった。

俺はバイクでキャンプ場内を見て回り、第1から第4まであるサイトの第3サイトの一角に設営場所を決定した。WEBに、このキャンプ場は穴場だと書いてあったが、この時期だというのに本当に空いている。俺が設営した第3サイトは、広いサイト内に先客は三組で、しかも一組は撤収作業中だ。標高は1,270mと高く、森の中のサイトだから涼しいし、夏のキャンプにはもってこいだ。

設営を完了し、缶コーヒーを飲んで一服した。さて、お約束の温泉だ。来た道を戻り、キャンプ場からすぐの「八邦の湯(ヤッホーの湯)」に温泉に入りに行く。入り口付近を見ても料金が書いてない。ま、いーか。

ここは、下駄箱の鍵を受付に預けて代わりに札を受け取り、帰りに清算するシステムだ。ここに至ってまだ、料金がわからない。ま、いーか。浴室は広く、洗い場の数も十分だ。源泉かけ流し浴槽、高温浴槽、露天風呂、サウナがあり、別料金で岩盤浴もできる。露天風呂からは八ヶ岳が見える。俺は洗い場で体と頭を洗い、源泉かけ流しの湯を時間をかけて楽しんだのだった。

「八峰の湯」の泉質はナトリウム・マグネシウム・カルシウム−炭酸水素塩温泉。神経痛、筋肉痛、運動麻痺などに効くらしい。

風呂から上がって受付に札を渡して清算すると、入浴だけだと料金は500円。これは安い。

「八峰の湯」から5分でキャンプ場に戻り、受付で缶ビールを買って来た。この瞬間を待っていた。俺はプルリングを引き、高原の森の爽やかな空気をつまみにビールを喉に流し込んだ。幸せだ。

真夏だというのにこのキャンプ場は、何故か虫があまりいない。俺はビールを飲み終え、コーヒーを沸かした。そして一時間程読書をした。爽やかな空気、静かな森、ゆっくりと流れる時間。今の俺が考え得る、最高に贅沢なひと時を過ごした。さてと、そろそろ夕飯にするか。

さんまの蒲焼缶をつまみにワンカップ大関を飲みながら、ジンギスカンのパックをあけてフライパンで焼いた。ワンカップ大関を飲み終わっちゃったので、トリスのポケット瓶を開けてストレートでちびちびやりながら、肉だけのジンギスカンをつまむ。いやー、ほんと、キャンプで食うとなんでもうまいなー。

肉を食べ終え、食事の後片付けをして、キャンドルランタンの明かりでコーヒーを飲みながら一服してたら眠くなって来た。さ、寝よ。

朝4時40分。俺は目を覚まし、テントの中を片付けて外に出た。昨日の夜は涼しいというより寒いくらいで、夏用シュラフとシュラフカバーを使用して超快適に寝た。俺は歯を磨いて顔を洗い、湯を沸かしてインスタントコーヒーをいれ、コンビニで買ったロールパンの朝食をとった。

食事を終えて一服し、撤収。ごみを分別して捨て、7時10分にキャンプ場を後にしたのだった。

朝の県道480号。八ヶ岳連邦の赤岳、横岳、硫黄岳、根石岳、天狗岳、稲子岳といった山々が屹立し、落ち込み、うねり、また隆起しながら陽光にきらめき、朝の静寂の中で壮大なドラマを展開している。こんな光景を見渡す限りただ一人の人間として眺め得るとき、この瞬間こそが、俺をツーリングに駆り立てる原動力なのだと、一人確信するに至るわけである。

ほとんど車が走っていない山道を降りて行く。県道480号から県道127号に入り、カーブが連続する急勾配の下りを少し走ると、国道141号に出る。

県道127号から国道141号を右折し、清里、須玉方面に南下する。国道141号は行楽シーズンは激しく渋滞するわけだが、今は時間が早いからすごーく空いてる。国道141号は混んでさえいなければ、走りやすくて景色の良い道だ。俺は荒野を馬で移動するように、遠くの八ヶ岳を眺めながらのんびりとCB400SSを走らせた。

ゆるいコーナーを抜けるとき、反対車線を走って来た、キャンプ道具を満載にしたアメリカンのライダーが、高々と左手を上げて挨拶してくれた。しかしタイミング悪く、俺はカーブのライン取りがへんなんなっちゃてて、プチ恐慌状態でハンドルを握り締めていたので、挨拶を返すことができない。しょうがないから俺は、ペコっと頭を下げたのだった。

山梨県に入って清里高原を越え、暫く走ると思っていたよりも早く中央道の須玉インターについた。インター手前の電光掲示板には渋滞情報は表示されていない。よし、高速で帰ろう。バイクで初めての高速走行だ。俺は、インター手前にCB400SSを停車し、財布から3000円だして胸のポケットに入れて須玉インターに入ったのである。

午前8時40分。午後になればまだ、お盆のUターンラッシュがあるのだろうが、この時間の中央道はまだ空いている。俺は左車線を流れに乗って走行した。双葉サービスエリアで缶コーヒーを飲んで一服し、ガソリンタンクを満タンにして再出発した。

双葉サービスエリアを出て、順調に走行して八王子料金所に着いた。俺はタンクのマップホルダーに入れた高速の券と、左ポケットに入れた3,000円を料金所のおじさんに渡し、右手のグローブをはずしてお釣りを受け取った。ちょっとドキドキしたが、スムーズに料金を払うことができた。車を運転してて、料金所でモタついてるライダーを何回か見たことがあるので、ちょっと不安だったのだ。おつりとグローブをウエストバッグに突っ込んで発進し、すぐに脇に寄せてCB400SSを停車した。そしてゆっくりグローブを装着し、高井戸の出口に向かって出発したのだ。

国立、調布を一気に走りぬけて無事に高井戸で高速を降りた。須玉から高井戸まで1時間30分。やっぱ高速使えると便利だな。高速を降りて国道20号を走り、環七を左折。空いてる環七を一気に走って午前11:00、昨日出発してから437km走って無事に帰宅したのだった。

松原湖高原キャンプ場は、標高1270mの、白樺や赤松の森の中のキャンプ場だ。標高が高く日光が森に遮られるので、避暑キャンプにはお勧めだ。WEBで穴場だと書いてあったが、こんなに空いているとは思わなかった。この時期なのに静かーにキャンプすることができた。設備は地味だが、650円で車両乗り入れが出来ることを思えば全然OKだ。

高速走行は一般道より怖くないとは聞いていたが、まさにその通りだった。最初は風圧がすごくて怖かったが、10分も走ったらすぐに慣れた。急勾配で急カーブの峠道の方がよっぽど怖い。だけどやっぱ、下道をトコトコ走る方が楽しいかも。


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