3時起床。今日からゴールデンウィーク後半のスタート。行楽地に向かう道路は混雑必至だ。幸い俺は朝が強いので、早朝に出発して渋滞を避けるのは得意とするところだ。普通の人より数時間一日を早くスタートさせるだけで、渋滞に巻き込まれるリスクが減り、早朝の気持ちいい空気の中、空いている道路を快適に走ることができるのだから、こんなにいいことはない。
今回の装備は、5日前にかみさんとキャンプツーリング行ったときとほとんんど同じだが、コンパクトストーブVHSとタープははずした。身支度をして、荷物をGNに積載。ちょっと時間が掛かったが、4時20分に出発した。環七のセルフスタンドで給油して、国道4号を左折。俺は、徐々に明るさを増していく新4号バイパスを北上したのであった。
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1時間程走って、新利根川橋手前の道の駅「ごか」でトイレ休憩。トイレの後、缶コーヒーを飲みながら一服した。ツーリングの待ち合わせと思われる、バイクのグループが数組いる。早起きは俺だけじゃないな。
俺は、道の駅「ごか」を出て、ガンガン北上した。今日は、目的地まで結構距離があるし、もたもたしてて渋滞に巻き込まれたらいやだからだ。一気に走って宇都宮を通過し、矢板インター付近のコンビニで2度目のトイレ休憩と朝食。2時間40分で125km。時速に換算すると約47kmだ。なかなかいいペースだ。
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黒磯を通過して那須を走り抜け、福島県に入ったあたりで俺はGNを脇道に停車した。この時点で8時40分。ここまで来れば、渋滞に巻き込まれる懸念もだいぶうすくなったと言うものだ。俺は一安心して、のんびりと一服したのである。
朝出発した時は寒くなかったのだが、この辺りまで来ると段々体が冷えて来た。あまり休憩を取らずに、長時間走り続けているからかも知れない。俺はショルダーバッグからフリースを引っ張り出し、ジャケットの下に着込んだ。そして再出発したのだった。
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福島県に入って一安心した俺は、矢吹の辺りのコンビニで3度目のトイレ休憩を取ったりしながら、若干のんびりモードになりつつも着々と進んだ。のんびりモードになったら腹が減って来た。そろそろ昼飯にしよう。まだ10時20分だが、俺は一日を前倒しで行動しているのだ。本宮インターのあたりの「五百川食堂」っていう店に入り、こってり醤油チャーシュー麺(800円)を食べた。チャーシューに、にんにくが効いててうまい。
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そろそろ県道30号を左折なので、キャンプの買い物をしたいのだが、このあたりの国道4号沿いにはスーパーがない。コンビニでいいかなー、とか、郡山のジャスコまで戻るんじゃ距離があるしなー、とか考えながら走ってたら。国道4号と県道30号の交差点に、「PLANT5」っていう巨大なスーパーがあった。よかった。
牛肉、ワンカップ大関ジャンボ、さっぽろ一番みそラーメン、2Lのミネラルウォーター、明日の朝食用にロールパンを購入。謎の缶コーヒーが39円だったのでついでに購入した。さんまの蒲焼缶や、ジャッキーカルパス等御つまみ類と、ウィスキーのポケット瓶は家から持って来た。このスーパーはディスカウントショップも併設されていて、ものすごくでかい。
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県道30号!俺が好きなタイプの地方道だ。素朴な感じで、景色もいいし、交通量が少ないのでまったり走れる。ものすげー気に入った。
県道30号から岳温泉のあたりで、道なりに国道459号に入り高原のすがすがしい空気の中を5分程走ると、「スカイピアあだたら」っていう看板があるので、案内に従って右折。少し走ると、左側にキャンプ場が見えてきた。
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12時30分。出発から255km走って本日の宿営地、あだたら高原野営場に到着だ。
いやー、走りであったなー。お疲れさん!俺とGN!
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あだたら高原野営場は、無料で利用できる市営のキャンプ場だ。到着時に看板に書いてある電話番号に連絡すれば、予約はいらない。以前は乗り入れ出来たらしいが、数年前から
車両乗り入れ禁止になったらしい。残念だ。バイクはみな普通に乗り入れてるが、俺は一応止めておいた。
駐車場にGNを停め、歩いてキャンプ場を一回りしてみた。俺は、すみの方の一角に設営場所を決定した。そしてバイクを駐車場の、なるべく近い場所に移動して、荷物を運んだのである。
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設営完了。とりあえず一服だ。
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39円の缶コーヒーを飲みながら、一服して暫くのんびりとくつろいだ後、キャンプ場の目の前の「スカイピアあだたら」の敷地内にある、温泉保養館に温泉に入りに行った。敷地内といっても敷地が広いので、結構距離がありそうだ。バイクで行こうかとも思ったが、歩いて行くことにした。のんびりと歩いて、10分弱で温泉保養館に着いた。
俺は入口で500円の入湯券を券売機で買い、受付の人に渡して入場した。500円で、温水プールも利用できるらしい。脱衣所で服を脱ぎ、コインロッカー(100円、戻ってくる)に入れ、浴室に入る。広い浴室には、全身浴(温泉、循環あり)、寝湯(温泉、循環なし)、圧注浴・泡沫浴(沸かし湯、循環あり)など、数種類の浴槽がある。露天風呂はないようだ。俺は、体と頭を洗い、すべての浴槽に入ってみたのだった。
「スカイピアあだたら」の温泉保養館の源泉は、岳温泉。泉質は単純酸性温泉(低張性−酸性−高温泉)で、疲労が回復するらしい。そういえば疲れが取れてきた。(ほんとかよ)
風呂から上がって、しばらく扇風機にあたって涼み、洋服を着てロビーに行った。 缶ビールを買って帰り、キャンプ場で飲もうと思ったのだが、自動販売機で缶ビールが売ってない。受付の人に「缶ビール売ってます?」って聞いたら、「缶ビールはないんですよ。生ビールならありますので、そこで注文して下さい。」って言って、売店を指差した。俺は売店で生ビールを注文し350円払って、紙コップの生ビールを受け取り、休憩所でぐびぐび飲んだのだった。バイクで来ないで良かった。
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タオルを肩に掛け、サンダルをずりずりさせながら、銭湯帰りのおじさんモード全開で、のんびりとキャンプ場に戻る。風呂上りでビール後の体に、夕方の風が気持ちいい。まだ15時だが、俺には夕方なのだ。
「スカイピアあだたら」の敷地から見るあだたら山は絶景だ。雲の間から降り注ぐ陽光を受けて、あだたら山や周辺の大地が、神々しく輝いて見える。
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キャンプ場に戻り、読書して、昼寝して、さあ夕飯だ。まだ17時だが、俺には夜なのだ。今やキャンプ場は、ファミリーキャンパーやツーリングキャンパー達でにぎやかだ。さんまの蒲焼缶を火に掛けてあたため、これをつつきながら日本酒を飲む。そして肉だ。スーパーで買って来た牛肉のパックを開け、塩コショウとガーリックパウダーを振りかけて下味をつける。100円ショップで買ったフライパンを火にかけてよく熱し、オリーブオイルを入れ、肉を投入。肉が焼けたところでバジルをふりかける。そして最も大事な手順に進む。食うのだ。
料理というものには、食材を入手し、下ごしらえをし、焼き、あるいは煮込み、味を調えて盛り付けをし、食卓に並べて食べる、といったような行程がある。世界中のいたるところで、来る日も来る日もこれが繰り返されている訳だ。料理に関することがらの中で、食べると言う行為が最も重要だということは自明だ。料理をした本人、あるいは別の人が食べる、如何に関わらずだ。農場、牧場、漁、農協、漁協、市場、小売店、レストラン、これらのものは全て、誰かが何かを食べるために存在するのだ。ものすごーく熱く語っている訳だが、これによって何を言いたいのかと問われると、あの、いや、別に、って感じだ。要するにだ。キャンプで牛肉を焼いて食うとうまいってことだ。(つながらないから)
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肉を食って日本酒を飲み、さっぽろ一番みそラーメンを食べて満腹になった。食後のコーヒーを飲んでしばしまったりし、歯をみがいて20時頃テントに入った。寝袋に足を突っ込んでウィスキーのポケット瓶をちびちびやりながら読書。座って本を持ったままウトウトして時計を見たら21時だ。座ったまま同じ姿勢で、40分か50分寝てたらしい。我ながら器用だ。
俺はヘッドライトをオフにして寝袋に入った。テント内の気温は10度。寒くないので、ライナーもシュラフカバーもつかわずに寝たのだった。
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5月4日朝4時。携帯の目覚ましで起き、テントの中をかたずけた。出発前に見たニュースによると、今日がゴールデンウィークのUターンラッシュのピークになるらしい。早めに出発し、できれば渋滞知らずで帰りたい。4時30分頃になると、外が段々明るくなってきた。俺はテントを出て歯を磨いた。そして、なるべく音をたてないように注意しながら湯を沸かし、コーヒーをいれた。気持ちのいい朝だ。
ロールパンを食べて一服し、撤収開始。回りのキャンパーはまだ寝てるので、なるべく音を立てないようにかたずけたので、いつもより時間が掛かった。
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6時20分撤収完了。さあ出発だ。ガンガン走って、渋滞が始まる前に家に帰りたい。
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出発直後、国道459号に出る手前で、真正面にあだたら山が見えた。朝の澄んだ空気の中、目に映る景色はその細部まで、意外なほどに鮮明だ。そして後ろからも前方からも、全く車は来ない。この景色の中で、人間は俺一人だ。これだから早朝のツーリングはやめられない。
国道459号のスタンドで給油して、道なりに県道30号に入った。県道30号は昨日も通ったが、走る方向、走る時間によって同じ道が、また違う表情を見せる。何回も言うが、俺は福島県の県道30号みたいな、素朴な感じの地方道が大好きだ。
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県道30号から国道4号に出て、宇都宮あたりまで一気に走った。目論見通り、道はまだ空いている。俺は、まだ営業していないカラオケ屋さんの駐車場にGNを停め、缶コーヒーを飲みながら一服したのだった。
休憩を終えて再出発し、ガンガン走る。草加あたりから環七までは混雑したが、それ以外は快適に走って、11:30分。キャンプ場から256km、昨日の朝自宅を出発してから511km走って無事帰還したのである。
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