2006年11月3日(金)、4日(土)
うつくしま、ふくしま&塩原でキャンプ

目的地 猪苗代湖

ルート
1日目:  環七 → 国道4号 → 国道294号 → 県道236号 → 県道376号 → 猪苗代湖 → 県道376号 → 県道236号 → 国道294号 → 国道4号 → 国道400号 → 塩原グリーンビレッジ (369km)
2日目:  国道400号 → 県道30号 → 国道4号 → 環七 (164km)

走行距離 533km

ナチュラムで注文したシュラフ、シュラフカバー、インナーシーツ等の冬用キャンプ用品が10月31日に配達された。かみさんにボーナスの小遣いを前借して注文したのだ。俺はプレゼントを開ける子供のような気持ちになって開梱し、シュラフに入って見たりした。おお!アルフレッド。あったかいよ。なんか幸せなあったかさだよ。こうなったら(どうなったんだよ)さっそく野営で使ってみずにはいられない。幸い今週末は三連休だ。どうせならちょっと寒そうなところで使ってみたい。俺はツーリングマップルやWEBをチャックした。よし、決めた。キャンプ道具を持ってGN初福島を果たし、猪苗代湖の無料キャンプ場でキャンプするのだ。

11月3日午前4時。
携帯の目覚ましが鳴った。俺の魂は無重力の空間から緩慢な落下を開始し、しばし漂い、そして出発の朝へと着地した。俺は枕もとのツーリングマップルと携帯を持って洗面所に行き、歯を磨きつつ鏡に映った自分の顔を見た。相変わらず間抜けな顔だが、完全に覚醒した目をしている。俺は朝が強いのだ。 手早く身支度をし、用意しておいた野営装備をGNに積載して出発したのは5時だ。環七のスタンドで給油。国道4号を左折して、ひたすら北上したのである。


草加バイパス、越谷春日部バイパスをひた走って茨城県に入り、出発から1時間、41km走って道の駅「ごか」でトイレ休憩。だいぶ明るくなって来た。俺は、だんだん空が明るさを増して行くのを、走りながら見るのが好きだ。さあ、これから1日が始まるぞって感じがして、何かこう力が湧いてくるっていうか、新鮮な気持ちになるからだ。

三連休の初日だけあって、バイクが結構走ってる。車もこの時間にしては多めな感じだ。紅葉シーズンだからなあ。この先混まなければいいのだが。

引き続き新4号バイパスを走る。新4号バイパスは茨城に入った辺りから信号が少なくなり、広い片側2車線道路になるので本当に高速道路みたいだ。俺は快調に距離を稼いだ。宇都宮を越したあたりのコンビニで朝食&トイレ休憩。コンビニを出てからもひたすら走り、那須インター付近のチェーン装着所にGNを停めて一服。予想通り寒いが、気持ちのいい天気になって来た。俺はレインスーツのズボンを、オーバーパンツ代わりに穿いて再出発したのだった。

9時45分。足立区の我が家から174km走って、福島県の県境に到着である。GNで初の福島県入りだ。へへへ。来たぜ、うつくしまふくしま。待たせたな。(はいはい)
天気は最高だし、なんか力がみなぎってきた。おれはバイクに颯爽と跨り...と思ったらいつもの調子で跨ろうとして、荷台のコンテナボックスに思いっきり回し蹴りをいれてしまった。グウォーッッ!!む、むこうずねがーっ!しかし、そこは俺だ。痛さを顔に出さずに、颯爽と再出発したのだ。男はいつだってこうでなくてはならない。(はいはい)

県境から10km位走って国道294号を左折し、絵に書いたような田園地帯を越え、山道を走って猪苗代湖を目指す。

山道を抜けて市街地に入り、国道294号から県道236号を右折。県道236号は真っ直ぐで開放的な道だ。里山が色付いて、刈り入れが終わった田んぼが道の両側につづいている。平和な農村の秋って感じだ。ものすごーくのんびりしたムードが漂っている。しかし、この辺りは豪雪地帯だ。村人達は訪れる厳しい冬に備えているところなんだろうなあ。

11時30分。出発から231km、6時間30分走って猪苗代湖の秋山浜に到着である。 猪苗代湖を眼下に従えて、宝の山、会津磐梯山がどうどうと聳えている。ものすげーいい景色だ。

福島県のほぼ中央に位置する猪苗代湖は大きさは全国第4位、透明度では全国第3位を誇る観光スポットだ。夏はウォータースポーツ、冬はスキー・スノーボードなどで賑わう。周辺にはキャンプ場が散在し、この秋山浜も無料のキャンプ場になっているのだ。人気のキャンプ場だし、三連休なので誰かキャンプしてると思ったのだが、時間が早いせいか人っ子一人いない。

とり合えず昼メシだ。空腹なのでなんでもいいから食いたいが、この辺りには何もない。コンビニすらないのだ。しょうがないので国道294号で市街地まで戻り、「わかの屋」という食堂に入ってラーメンを注文した。期待していなかったのだが、ここのラーメンはうまい。っていうか最近食べた普通の醤油ラーメンの中ではNo1かも。俺は得した気分になって一気に食べ、スープも飲み干して店を出たのである。ごっそさんでした。

食事をして一呼吸ついたので、県道376号で猪苗代湖の周りを走り回ることにする。所々いい景色の場所もあるのだが、湖南の辺りは道が狭くて、見通しが悪いので走りにくい。バイクも停めにくいので写真が撮れない。30km程走り回って秋山浜キャンプ場に戻ることにしたのだ。

午後1時半頃秋山浜に戻ったが、相変わらず誰もいない。ロケーションは素晴らしいのだが、ここで一人っきりでキャンプするのは怖い。おばけがでたらどうするのだ。これから誰かキャンプしに来るかも知れないので、ちょっと様子をみることにして、俺は素晴らしい景色を堪能しながら一服し、コンクリートの上に横になって昼寝をしたのである。

一時間程昼寝をして起きた。しーん。ひとりぼっちだ。だめだ。無理。景色も堪能したし、今日は帰ろう。この素晴らしい景色の中で、キャンプ場の朝を迎えてみたかったがしょうがない。今度兄夫婦やザッキーさんに一緒に来てもらおう。

国道294号を戻っていると、来るときは気が付かなかったのだが、「馬尾滝」があったのでGNを停めて写真を撮った。実はこの滝は今回の行程で見てみたいもののひとつだったのだ。「馬尾滝」は勢至堂五滝の一つで、天明八年に幕府の巡検使に随行した古川古松軒が著した「東遊雑記」には、「勢至堂の南に瀑布二つあり、一つは馬の尾の滝と称して、水口細く次第に広く流れ落ちつ、遠目には白馬の尾の如し。」と記されている。参勤交代の会津候も駕籠を休めて鑑賞したらしい。俺はGNを休めて滝を鑑賞し、しばし会津候の参勤交代の時代に思いを馳せたのである。

「馬尾滝」を後にして国道294号から国道4号を走る。白河インターを越えて栃木県に入ると、だんだん道が混雑して来た。俺はGNを停めて一服しながら考えた。紅葉狩り帰りの混雑だとしたらこのあとも永遠と続き、宇都宮あたりからもっと激しくなるはずだ。だとしたら、今日はどっかに泊まり、明日の朝早く出発したほうがいい。俺はかみさんに電話して、キャンプ場の電話番号を調べてもらった。そして「塩原グリーンビレッジ」に電話してバイクサイトの空きを確認して出発し、国道400号を右折して塩原に向かったのである。

国道400号は山道に入って激しく渋滞したが、午後5時50分、猪苗代湖から98km、出発から369km走ってどうにか本日の宿営地、「塩原グリーンビレッジ」に到着だ。料金は1,050円。思ったよりリーズナブルだ。受付を済ましてバイク専用サイトに行くと、3人のバイク乗りがソロキャンプをしていた。アメリカン乗りの若者、ビッグスクーターの男性、オフロード車の女の子。みんな気持ちよく挨拶してくれる。うれしい。

既に暗くなっていたが、ナチュラムで買ったPETZLのヘッドライトの明かりで手早く設営し、とりあえず一服したのである。
一服して敷地内にある「福の湯」に温泉に入りに行く。「福の湯」は700円で利用できる日帰り温泉施設だが、サイト利用者は半額の350円で利用できる。シャンプーやボディーソープも用意されている。ちょっと混んでたが、洗い場があいてたので、先に体と頭を洗ってから湯船につかった。生き返る気分だ。渋滞の中をすりぬけながら、永遠と走り続けることを考えたら正に天国だ。

すっかり暖まってサイトに帰り、ビールを飲みながら簡単な食事をしていると、ビッグスクーター乗りのお隣さんが、「いっしょに温泉行かない?」と声を掛けてくれた。箒川沿いの人気露天風呂、「不動の湯」まで歩いて行くと言う。歩いて10分程で行けるらしい。俺は今温泉入ってきたばっかなので、残念だがお断りしたのである。

食事を終えてまったりしていると、お隣さんが「不動の湯」から戻って来た。「不動の湯」には10人位入湯していたらしい。お隣さんも十分温まったらしく、ポカポカな様子だ。気温が下がって来て、吐く息が白い。お隣さんと暫く世間話をして、俺はテントに入ったのである。

今回購入したシュラフはイスカのアルファライト700だ。一緒にゴアテックスのカバーとポリエステル起毛地のライナーも購入した。テント内の気温は7度だ。俺はシュラフとカバーだけ使用することにした。この気温ならライナーはいらないだろう。

シュラフに入り、今日の出来事をメモした後、ウィスキーのポケットビンをちびちびやりながら読書した。すぐに眠くなってきたのでライトを消して横になり、速攻で深い眠りについたのであった。

11月4日午前6時。
朝の光を受けて、テントの中が明るくなって来た。在るような、また無いような、俺の魂を取り囲む環境は緩慢にその存在感を増していき、やがて山間のキャンプ場の姿に落ち着いた。

俺はシュラフから這い出し、洋服を身につけてテントの外に出た。さすがに寒いが、空気が澄んでる感じですがすがしい。俺の大好きな、キャンプ場の美しい朝だ。テントの前室に置いた気温計を見てみると4度を示している。冬山用の下着だけでシュラフに入って寝たのだが、全然寒くなかった。ぐっすり眠ることができた。真冬になっても低地ならこの装備で十分行けそうだ。

歯を磨いてコーヒーを沸かし、ロールパンで軽く朝食をとってまったりしているとお隣さんが起きて来て、また「不動の湯」に出掛けて行った。

暫くまったりして撤収開始。アメリカン乗りの若者が「良く寝れました?」と声を掛けて来た。俺は「もう、爆睡」と答えた。若者は寒くて全然眠れなかったらしい。

テントは結露と霜で結構ぬれてるが、家で干すことにして畳んで袋にしまった。キャンプ用品をそれぞれスタッフバッグに入れてダッフルバッグに押し込み、撤収がほぼ終了した頃お隣さんが「不動の湯」から戻って来た。今日は日光から沼田に抜けて、関越で帰るそうだ。

アメリカン乗りの若者はテントの中だったが、お隣さんとオフ車乗りの女の子に挨拶して午前8時頃キャンプ場を後にしたのであった。

国道400号、県道30号を通って矢板あたりで国道4号に出た。時間が早いのでまだ道路は混んでいない。塩原で一泊したのは正解だった。

古河市あたりで缶コーヒーを飲んで休憩。休憩を終えてひたすら走る。外環の手前と草加あたりで混んでたがその他は順調に進み、12時20分に無事帰宅したのである。

今回はGNで初の福島入りと、塩原で緊急キャンプを行った。秋山浜キャンプ場はほんとにロケーションがすばらしかった。さすがは、うつくしまふくしまだ。今回はお化けが怖くて撤退したが、いつかはキャンプしたい。

塩原グリーンビレッジは料金が高いイメージがあったのだが、1,050円でキャンパー用露天風呂に入り放題だから決して高くない。なによりもバイク専用サイトには馬鹿騒ぎするファミリーキャンパーや、団体さんがいないのがいい。また今度利用しよう。


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