出発から1時間程走り、利根川を越えて取手市に入ったあたりで兄に電話して、現在地と天候を伝えた。もう、雨は降りそうもない。兄達の待ち合わせは10時なので、12時位にキャンプ場に着くという。俺はキャンプ場に着いたらとりあえずサイトを設営して、兄達が到着する時刻まで、その辺りをうろちょろ走り回って遊ぶつもりだ。
土曜日の6時過ぎだが、この辺りは結構車が走ってる。
遠くの西の空が明るくなって来ていて、いい天気になりそうな気配だ。
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と、思ったらすぐに雨が降ってきた。すぐやむだろうと思い、雨具はつけずに走る。小浮気という二股の交差点で右の旧道に入って数キロ走り、小通幸谷(何て読むの?)という交差点を右折し、県道5号に入る。雨は止むどころかだんだん本降りになって来た。俺は龍ヶ崎市のコンビニに入り、朝食兼、トイレ休憩兼、雨宿りをしたのである。
コーヒーとパンを買って表に出てコンビニの軒下で食べ、ゆっくり一服したのだが、雨は止む気配がないので、もう一度コンビニに入り週刊誌を読みながら雨宿りをした。30分程時間をつぶしたが、一向に止む気配がない。しょうがないのでレインスーツを着て出発したら、今度はすぐに止んでしまった。ついてない。俺は、めんどくさいのでレインスーツを着たまま走りつづけたのである。
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幸田という交差点を左折して国道125号に入る。少し走って柏木という交差点を右折して県道206号に入るとすぐに霞ヶ浦だ。前日の大雨のせいで水が激しくにごっている。
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午前8時55分。出発から91kmで浮島キャンプ場到着。俺はとりあえずキャンプ場内をぐるっと回って下見した。昨日は大雨だったしまだ時間が早いので、さすがにキャンプしている人はいない。所々に水溜りができているが、小高くなっているところは比較的乾いている。俺はよさそうな場所を数箇所めぼしをつけて置いたのだった。
浮島キャンプ場は稲敷市役所の都市計画化に申請するだけで利用できる無料のキャンプ場だが、きれいで雰囲気のいいなキャンプ場だ。トイレや炊事場もよく管理されて清潔に保たれている。無料にしては最高だ。
とり合えず設営して、兄達が来るまで辺りを走りまわろうと思ったが、誰も人がいなくて無用心な感じがするので、みんなが来てから設営しよ。
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出発から91kmで到着しちゃったので少々走りたりない。兄達が到着するまで時間があるので霞ヶ浦の周りを走ることにする。最初は湖畔の堤防上を走ろうかと思ったが、風が強くて怖いので国道を走り継いで、霞ヶ浦の南側の大きなほうを一周することにした。
県道206号から稲敷大橋を渡って国道50号を左折。5km程走って北利根橋を渡り側道から国道355号を左折して数キロ走ると、日帰り入浴可能な白帆の湯がある。あとでみんなで来るかも知れないので、一応下見してみる。この辺は浮島キャンプ場がある和田岬のちょうど対岸あたりだ。国民宿舎に隣接した白帆の湯は、ホームページだときれいで新しそうだが、実際に見てみると結構古そうな建物だ。
白帆の湯を後にして国道355号をぐんぐん走る。時々突風が吹いて怖いが大分慣れてきた。ここで対抗車線を走る二人連れのライダーが左手を挙げて挨拶してくれた。すげーうれしい。ツーリング中に他のライダーに挨拶されたのは始めてだ。俺はぼーっとしていて挨拶のタイミングを逃してしまい、二人連れが通り過ぎてからあせって左手を挙げた。どうかバックミラーで見てくれますように。
国道355号を暫く走り、国道354号を左折すると霞ヶ浦大橋の手前に「たまつくり」という道の駅があったのでGNを停めて一服。霞ヶ浦越しに筑波山が見えていい景色だ。
たまつくり大橋をわたってまたしばらく走り、かすみがうら市から土浦市に入る。国道125号線を左折して土浦駅を越えてまたまたしばらく走って県道206号を左折してキャンプ場に帰ってきた。2時間かかってちょうど90km走り、霞ヶ浦を一周っていうか半周っていうか、4分の3周位したのである。だからどうだって訳でもないが、まあ、なんつーか、暇つぶしだ。
兄達が来るまでまだ少し時間がある。俺はGNのセンタースタンドをかけて跨り、後部座席に固定したダッフルバッグに寄りかかって仮眠モードに入ったのである。どこでも眠れることは俺の特技でもあり、誇りでもある。っていうか他にえばれることがあんまりない。(これだって、それほどえばれねーよ)
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GNのシートでウトウトしていると、遠くの方から低い雷鳴と言うか地鳴りのような音が聞こえて来た。しかし俺には分かっていた。奴らが来たのだ。少しするとキャンプ場と隣接する霞ヶ浦の堤防の上に3台のバイクが現れ、序所にその大きさを増していった。さっきの地鳴りのような音は今やはっきりと、バイクの中のバイク、真のアメリカン、ハーレーダビッドソンのV型ツインが放つ凶暴なまでに野性的なエグゾーストノイズだ。かっこいい。が、ご近所さんに迷惑だ。
予定時間から30分遅れて兄夫婦とザッキーさんの到着だ。3台が駐車場に入って来た時の写真を撮ったはずだが、撮れてない。かっこいい写真が撮れたと思ったのに残念だ。
兄と俺とで、キャンプ場内の良さそうな場所を見て回り、本日の設営場所を炊事場の近くの比較的地面が乾いた一画に決定したのである。
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ザッキーさんのハーレー。側車に愛犬のナナちゃんを乗せての登場だ。激しくカッコいい。
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さっそく設営開始。ザッキーさんが持って来たタープをみんなで張り、その周りにそれぞれのテントを張った。俺のテントは構造が単純なので、設営も簡単でいい。兄はかったばっかの4人用テントを持って来た。すげ−でかい。初めて張るのでちょっとてこずってたようだが、ザッキーさんに手伝ってもらって無事に設営を完了したのである。
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ねーさんが「虹がでてるよ。」と教えてくれたのでカメラを持って堤防を駆け上がり、急いで撮ったのがこの写真だ。ちゃんと撮れてるか不安だったが、結構きれいにとれてる。兄は4人用テント設営にてこずってたので、この虹を見ていないのだ。もったいない。
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設営が終了したのでとり合えず買出しだ。ねーさんに留守番しててもらい。兄とザッキーさんと俺の3人で買い物に行くことになった。写真は設営が完了したので、買出しの相談をしているところだ。決して兄とザッキーさんがねーさんに怒られているところではない。
3台で国道51号線沿いのジョイフルに行き炭と網とザッキーさんの銀マットを買い、隣接するスーパーでバーベキュー用の食材や、それぞれ食べたいものを買った。スーパーは敷地は大きいがあまり品揃えが良くなく、思いのほか買い物に時間がかかってしまった。
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買い出しから帰って来て小休憩。左から兄、ねーさん、ザッキーさんだ。ザッキーさんはキャンプの達人で、クラブハーレーにも載ったことがあるらしい。ザッキーさんの愛犬は名前はナナちゃんだが雄犬だ。ハンサムな顔の犬だがちゃんと写ってないのが惜しい。兄は「ザッキーとナナを合わせてザッキーセブンだ。がはははは」なんて言ってた。我が兄ながら痛い。兄はこの手の冗談を連発するのだが、ねーさんはその度にケラケラ笑う。いい夫婦だ。他人ではこうは笑ってくれない。
いつのまにか5時前になっていたので、温泉行くか聞いてみたら、みんなめんどくさいから行かないという。みんなばっちいなあ。っていいながら、俺も腹減ってきたし、めんどくさくなっていたのだ。
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一服して、夕食の支度を始めた。俺はベーコンとキャベツのトマトシチューを作る。俺はアウトドアクッキングが大好きだ。丸型飯盒にオリーブオイルを入れてよく熱し、細かく切ったにんにくを炒める。ベーコンと千切りにした玉ねぎを軽く炒めて、ざく切りにしたキャベツとホールトマトを入れる。水をひたひたになるくらい入れて、コンソメとローレルの葉を入れて煮込み、塩コショウで味を調えれば完成だ。みんなに振舞ったら結構評判良かった。
後はバーキューを食べながら酒盛りだ。俺は一番絞りとカップ酒とブラックニッカのポケットびんを飲んですっかり酔っ払って、いつ眠ったのか分からない。外で座ったまま寝て、椅子ごとぶっ倒れたりしてたらしいが、全然覚えてない。シュラフに入らずに寝てしまい、夜中にものすごく寒くてシュラフに入ったが、とき既に遅く、風邪をひいてしまったのだった。
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キャンプ場の朝だ。俺はこの空気を吸うためにキャンプをしているようなものだ。ちょっと風が強いが、文句なしの快晴だ。風邪ひいてなければもっと気持ちよかっただろうなあ。
昨日の残りのシチューとロールパンを食べ、一服して撤収し、9時30分頃キャンプ場を後にした。兄夫婦とザッキーさんは国道51号、俺は国道6号方面に行くので、県道206号で反対方向に分かれた。風邪で具合悪かったが、来た道をノンストップで走り12時に帰宅したのであった。
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