3時30分起床。
身支度をして、昨日準備しておいた荷物をGNに括り付ける。キャンプする予定なので、今回は野営装備だ。シュラフや着替えなど濡らしたくないものはコンテナボックスに収納し、その他のキャンプ用品やツーリング用のメンテナンス用品はスタッフバッグに小分けしてダッフルバッグに詰め込んである。ちょっと手間取ったが、積載を完了し、4時45分に出発したのである。
環七から川越街道(国道254号)を右折。結構車が走ってる。浦和所沢バイパスを越えると一車線になってペースが落ちるが、国道16号を越すと再び片側二車線になる。この辺りまで来ると車の数も信号も減りスムーズに走れる。俺は時速70キロ前後で快適に巡航したのだった。
出発から一時間15分。50キロ強走るともう田舎の景色だ。遠くに秩父連山がかすんで、いい感じだ。
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東松山市のコンビニで朝食。空をおおいつくした低い雲は、見るからに分厚そうだ。いつ降りだしてもおかしくない雰囲気だが、長野まで行けばいい天気のはずだ。今日は家を出るときから気温が低く、ちょっと寒かった。群馬から長野の山道に入って高度が上がったら、えらい寒くなりそうな予感。俺は食事を終え、ワークシャツを着込んで再出発した。
この辺りの下り車線はほとんど車が走ってないのでいい気分だ。
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国道254号は荒川を渡ると玉淀大橋北と言う交差点を左折し、国道140号と同じ道になる。少し走ると公会堂前という交差点でT字路になり、また国道140号と国道254号に分かれる。左折するとすぐ長瀞だ。俺は右折して国道254号をひたすら走った。
7時20分、本庄市のあたりの道の駅「神川」でトイレ休憩。セルフタイマーで自分の写真を撮っていると、初老の夫婦がじっとこっちを見てる。なんか恥ずかしい。撮り終わると、おばさんがよってきて、「写真とってもらえないですか?」といって自分たちのカメラを差し出した。ああ、そういうことか。ご夫婦の車をバックに二人の写真を撮ってあげてカメラを返すと、ご主人が「おにーさんの写真も撮ってあげようか?」と言う。俺は「いや、いいですよ。」と言ったが、「いいよ、いいよ。撮ってあげるよ。」と言う。それではと言うことでデジカメを渡し、GNの前に立つ。おじさん「はいチーズ!」。恥ずかしいがしょうがないのでニッとした。するとおばさんが「ピースピース」。意味わかんないけど、この状況から早く脱したかったので、ブイサインして写真を撮ってもらった。お礼を言ってデジカメを返してもらい、おじさん達がいなくなってからみてみたら、撮れてない。ものすごーくばからしい時間を過ごした気がするが、ま、いーや。
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神流川を越えると群馬県だ。国道254号は以外と走り易いし、変化があって面白い。
富岡あたりの市街地から、これから向かう峠の方をみると激しく霧に煙っている。うーん、雨の予感。
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下仁田を越えるとだんだん高度が上がっていき、山道になって行く。この辺からだんだん天気が怪しくなってきた。道平川ダムを越えたあたりから、上り坂がきつくなり、本格的な峠道になる。半端じゃなく寒くなって来た。
もう少しでキャンプ場のある内山峠の分岐だが、いくつもあるトンネルのうちの一つを出ると、雨が降っている。写真では分かりにくいが大粒の雨だ。短いトンネルの手前は降っていなかったのに、この辺は降りだしてからだいぶ時間が経っている様子だ。俺はGNを木の下に停めてレインスーツを着た。
さて、どうするか。俺は雨の中で一服しながら考えた。キャンプ場に行くならすぐ先を右に入る訳だが、この降り方ではたとえやんだとしても、地面はどろどろのはずだ。俺はすばやい決断を下した。今日のキャンプは中止だ。このまま真っ直ぐ行ってコスモス街道を走り、国道141号から国道20号に抜けよう。その途中で信州そばを食べるのだ。
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新たな目標に向かって再出発し、内山トンネルを抜けると、そこはもう長野県だ。県境の看板はなかったが、佐久市の看板があったのでGNを停めて写真を撮った。記念すべきGN初長野の瞬間である。うれしい。
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内山トンネルから高度を下げながら少し走ると、コスモス街道だ。この辺りはもう雨が降ってない。振り向いて内山峠の方を見ると、霧に煙っていかにも雨が降っていそうな感じだ。山の天気は難しい。コスモス街道というだけあって道の両側にコスモスがならんでいるが、想像してたのと違って、なんかしょぼい。もっときれいかと思った。
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佐久市街に入って停車し、レインスーツを脱いだ。降ったりやんだりしてるけど、たいしたことないし、この辺は高度が低いから全然寒くないのだ。野沢本町という交差点で国道254号は右折だが、俺は直進して県道145号をちょっとだけ走り、野沢西という交差点を左折して国道141号に入った。しばらくの間車が多くて走りにくかったが、市街地を抜けると一気に車が少なくなる。俺は気分良く、一級河川、千曲川沿いの国道141号を南下したのである。
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野辺山、清里方面に向けて高度が上がっていき、また寒くなって来た頃、「あららぎ」という店があったので入った。キャンプが中止になったので、本日のツーリングのターゲット、信州手打ちそばの店だ。俺は山菜そば、750円を注文した。以外とリーズナブルで幸せな気分だ。
最近、ツーリングの度に寒い、寒いと言っているが、この辺りの寒さは本格的だ。どのくらい寒いかというと、この店では、まだ9月だと言うのに客席でガスストーブを焚いている程だ。今日が特別寒いのか、この辺りのこの時期は、いつもこんな感じなのかは分からない。
5分ほどで山菜そばが出てきた。うまい!俺はだいたい、何を食べてもうまいのだが、このそばはほんとにうまい。つゆはそんなにいい味だと思わないが、麺がうまい。なんてゆーか、説明しにくいけど、そば自体の味がしっかりしている感じだ。
店を出て、さらに高度を上げながら、国道141号線を南下したのである。
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信州はほんとうに景色が素晴らしい。この写真なんかもなんか北海道みたいだ。こんな景色の中を走れただけでも、今回のツーリングは価値がある。
野辺山のあたりでキャンプ場の案内板を発見した。一度は今日はキャンプしないと決めたものの、キャンプに未練たらたらな俺は案内板に従って細い道を入って行った。細い道を暫く走るとキャンプ場の看板があったので、GNを停めてサイトを見てみる。よさそうなサイトでしかも、料金が安かったら本日はここで野営するつもりだ。
サイトを見て、0.2秒で俺は決断を下した。やめた。帰ろう。何がだめだったかって、それは、あなた、
出そうなのである。
はっきし言って俺はおばけが怖い。とてつもなく怖い。こんな暗い感じのキャンプ場で野営して、夜中に目がさめて、ヴィレアウィッチプロジェクトのテントのシーンでも思い出したひにゃー、正気で朝を迎えられるとは思えない。
ということで、さっさとキャンプ場を後にしたのである。くわばら、くわばら。
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山梨県に入って清里高原を通過し、さらに南下する。清里みたいに作られた観光地に用はない。
韮崎のあたりで給油して、一つ谷という交差点で国道20号を左折。この時点でだいたい午後1時である。あとは環七までひたすら国道20号を走るのだ。まあ、4時間位あれば、家に着くでしょ。
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と思ったらあまかった。国道20号は交通量が多いのでペースがあがらない。笹子トンネルの手前の道の駅「甲斐やまと」でトイレ休憩をとったのだが、20号に入ってからここまで1時間40分走って、走行距離はわずかに39キロだ。時速に換算すると23.4キロである。
その後も要所要所渋滞して、思うように走れない。国立あたりからは大渋滞に巻き込まれ、すり抜けながら進んだが、環七の交差点についたときは午後7時になってしまった。激しく疲れた。環七を左折すると後はスムーズに進み、午後7時30分に無事帰宅したのであった。
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